SMSは高い到達率と視認率、セキュリティの高さなどが魅力の通信手段です。不動産賃貸・管理業では、督促や請求などを行う際の連絡手段として、郵送や電話連絡よりも視認率が高いSMSへとシフトしつつあります。今回は、不動産賃貸業や管理業におけるSMSの利点や活用ポイントを説明します。
目次
不動産賃貸・管理業でのSMS送信サービス活用のメリット
まずは、不動産賃貸業や不動産管理業で、SMS送信サービスを活用することにはどのようなメリットがあるのかについて説明します。SMS送信サービスの利点を理解して、自社で採用するかどうかを判断する上での参考にしてみてください。
SMSは携帯電話番号なので普及率が高い
SMSで使用される宛先は携帯電話番号です。総務省の調べでは、フィーチャーフォンやスマートフォン、タブレット端末を含む「モバイル端末全体」の世帯ごとの保有率が令和3年時点で97.3%と、ほとんどの世帯が保有している機器です。学生や新社会人といった一人暮らしの世帯でも、固定電話は無いが携帯電話は持っているという世帯は少なくありません。普及率が高い通信手段を使うため、多くの人の下にメッセージを送信することが可能です。 またSMSを送信する際、封書やハガキを送る際に必要な住所や、電子メールを送る際に必要な電子メールアドレスといった情報は必要なく、携帯電話番号さえわかれば送信が可能です
SMSは携帯電話番号の変更が少ないので到達率が高い
SMSは到達率が高いと言われています。これは、SMSの宛先に使用される携帯電話番号は「変更されることが少ない」という特性を持っているためです。2006年以降、携帯電話番号をそのままに他社のキャリアに乗り換えることを可能とする携帯電話番号ポータビリティ(MNP)の制度が実施され、さらに2012年には3G回線で使用される090始まりや080始まりの番号も転入や転出が可能となったことで、それまで以上に携帯電話番号は変更の機会が少なくなりました。
電子メールの宛先に使用されるメールアドレスは、迷惑メール対策などから変更されることが多く、宛先不明でメッセージが届かないリスクが考えられます。一方、SMSの場合は上述の通り変更されることが少ない携帯電話番号を宛先として使用するため、宛先不明で届かないリスクが電子メールと比較して低く、故に相手に届かない心配はほとんどありません。
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SMSは身元確認済みの携帯電話番号なのでセキュリティが高い
SMSを利用した振り込め詐欺やフィッシングサイトへの誘導事例があったことから、SMSのセキュリティについて不安を感じる人も少なくありません。しかし、SMSのセキュリティ対策は向上しています。SMSを利用した詐欺の多発を受けて、国内キャリアはSMSにフィルタリングをかけており、海外からの番号や不審な業者からのSMSを遮断するようになりました。2022年現在、SMSは安全に利用可能な通信手段と言えます。
そもそもSMSを利用する際に必要な携帯電話番号は、身元確認を行って契約をするものですから、偽装や複製がとても困難です。仮に、何らかの事故が起きて電話番号が情報流出したとしても、SMSの中身まで盗み見られることはありません。SMSが実際に届くのは、携帯電話番号が登録されたSIMの入った携帯端末のみだからです。さらに、国内のSMS送信サービスは国内キャリアとの直接接続網を介して接続を行っています。この直接接続網は外部からの傍受が困難な閉域網であり、通信内容を読み取られることもありません。このことから、SMSはセキュリティが高い通信手段と言えるのです。
SMSは携帯電話の標準機能なので開封率・視認率が高い
SMSを受信した際の通知機能はデフォルトでONとなっています。つまり、受信者はSMSが届いたことを察知しやすいのです。メールの1日の平均受信量は10件から20件と多く、1日あたりのメールの受信量が多い人は受信通知を端末設定で切っていたり、通知を見ても「後で読もう」とその場では気にしなかったりする人も少なくありません。一方、SMSは日本において年間6億通が送信されており、一人が受信するSMSの平均は年間1~2通です。めったに届くものではないからこそ、届いた時には中身を確認しようという心理が働きます。この視認率と開封率の高さが、SMSのメリットの一つです。
SMSは単価が低く自動化で業務効率化が図れる
SMSの送信に必要な単価は低く抑えられます。電話で連絡を取ろうとする場合、相手が不在の場合にはかけ直さなければならず、その際には都度通信費や人件費が発生するため、結果としてコストがかさむリスクが存在するのです。SMSの場合は1度メッセージを送信するだけで済むため、その分の費用を安く抑えられます。なお、同様の目的で電子メールを使用する場合、一通あたりのコストはSMSよりも低いですが、SMSと比べると開封率が低いため費用対効果ではSMSが有利です。
また、SMS送信サービスを利用して定型メッセージを予め定めて自動で送信する仕組みを作っておくと、業務効率化にもつながります。電話をかけたり、SMSの文面を毎回打ち込んだりする時間を節約できるためです。これにより、他の業務を行う時間を作ることができるため、業務効率を高めることにつながります。
SMSは顧客の時間を奪わない
電話で相手に連絡を取る場合、顧客には電話での会話のために時間を割く必要が生じます。一方、SMSは一度受信してしまえば、顧客は任意のタイミングで確認することが可能です。つまり、顧客はメッセージの確認に時間を奪われることがありません。また、SMSで折り返し電話等の連絡を促すメッセージを送信することで、顧客側のタイミングで電話連絡をしてもらうこともできます。顧客にとって優しい通信手段であるため、顧客満足度を高める上でも有効です。
不動産賃貸・管理業でSMS送信サービスを活用できる業務
上記で挙げたSMSのメリットによって、不動産賃貸・管理業では様々な業務に活用することが可能です。以下では、不動産賃貸業や不動産管理業においてどのような業務でSMS送信サービスを利用できるかについて説明します。SMS送信サービスの導入を検討する際には、これらの活用事例を参考にしてみましょう。
物件オーナー・内覧希望者への予約確認
物件オーナーや内覧希望者に対して、予約確認を行う際にSMSが活用できます。来訪日程をSMS上でやりとりすることで調整したり、前日や当日にリマインドを送信して日程忘れや遅刻などを防止したりすることが可能です。他にも、当日の緊急連絡先や物件の住所などをメッセージ上で伝えれば、物件オーナーや内覧希望者は連絡や物件位置の確認のためにSMSを見返して把握することができます。このように、SMSは物件オーナーとの面会や内覧をスムーズに進める上で大いに役に立つ連絡手段です。
請求、督促、振込先もわかる
SMSを利用することで、請求や督促にかかる労力を減らすことが可能です。電話連絡では相手の都合などで入居者に連絡がつかないリスクがあります。連絡がとれない滞納者に対しては訪問や封書連絡などを行うことになり、結果として滞納家賃の回収に時間と手間がかかってしまうのです。一方、SMSは先に述べたように相手への到達率や開封率が高いため、滞納家賃の督促などを迅速に行うことができます。すぐに入居者との連絡がつき、家賃の請求が振込作業のリマインドとしても機能するため、家賃の滞納件数を抑えることができます。
また、あらかじめ入居者に請求額と振込先を一緒に伝えておくことで、相手はSMSを見ながら振込作業を行うことができます。これにより、振込金額の過不足が発生してしまったり、入居者が誤った口座に振り込んだりといった振込作業で発生しがちなミスの防止にもつながり、家賃の確実な回収が可能です。
さらに記録(エビデンス)としても残る
家賃の請求や督促を行う上で考えられるのが、入居者側が督促や請求の存在を把握していなかったというケースです。この場合、賃貸業者や管理業者側は「きちんと連絡を行った」ことを証明できなければ、賃貸業者側の連絡責任を問われるリスクが発生します。SMSは送信したことが記録として残るため、確かに相手に連絡を行ったこととその内容を証明することが可能です。また、確認事項や同意事項をSMS上で文章にして送信することで、その内容をテキストとして残すことができるため、後から内容を参照することもできます。
物件入居者への通達(注意喚起)のお知らせ
賃貸契約の入居時や更新時・または解約時など、物件入居者に対する様々な通達や注意喚起にもSMSが有効です。例えば、振込口座が変更になる、自転車置き場の自転車を整理するなどの告知をSMSで行うことで、入居者側もスピーディに情報を把握することができます。また、騒音やゴミ問題などの原因となっている入居者に対しても、訪問や郵便連絡等の手間をかけることなく注意喚起を行うことが可能です。さらに、台風などの災害の際にも、SMSで注意喚起のメッセージを一斉送信することで、災害対応に関する問い合わせ対応などの手間を減らしつつ、入居者へ緊急連絡先の告知や台風通過中の過ごし方に関する連絡を迅速かつスムーズに行ったという活用事例もあります。
工事日程や修理・修繕の連絡にも利用できる
物件のリフォーム工事や設備の修理、修繕の連絡の際にSMSを活用できます。業務時間中に電話での連絡が難しい入居者に対しても、SMSを利用して工事や修理、修繕の日程を短時間で調整することが可能です。また、修理や修繕の内容についてもSMS上で詳細の打ち合わせをすることで、打ち合わせ内容を記録として残しつつ、スムーズに工事や修理・修繕の対応を進めることにつながります。
電話や紙では伝えにくい手続き用のURLもSMSだとクリックするだけ
契約更新や様々な手続きについて、専用のWebページにアクセスさせたい場合、当該WebページのURLを告知する必要があります。しかし、電話でURLを告知するのは伝達ミスなどのリスクがある他、紙に筆記したとしてもそれをWebブラウザ上に転写する手間がかかります。その点、SMSは本文内に記載した該当のURLをクリックするだけで直接そのWebページにアクセスすることが可能です。電話や紙では伝えづらいURLをスムーズに伝えつつ、受け手側もワンタッチでアクセスすることができるため、送り手と受け手の双方にメリットがあると言えます。
APIでのシステム連携による業務効率化
APIを使用して自社で運用しているシステムとSMS送信サービスを連携することで、業務の効率化を図ることができます。例えば、賃貸管理システムと連動して、家賃の振込を確認できなかった入居者に自動的に督促のSMSを送信したり、契約更新が近い入居者に対して契約更新のリマインドと必要事項を登録するサイトのURLを連絡したりするなど、状況に合わせて様々なメッセージを自動送信することが可能です。
SMS送信サービス単独でも自動送信やメッセージのやりとりを行う上で必要な機能は揃っていますが、SMS送信サービスが提供するAPIを組み合わせることで、開発や運用にかかる費用を抑えながら様々な要件を実現することが可能です。なお、APIは自社開発することも不可能ではありませんが、運用コストが高く付くため、費用対効果の面ではあまりおすすめできません。自社システムと連携が可能で、要件を満たすことができるAPIが用意されたSMS送信サービスを選ぶようにすると良いでしょう。
SMS一斉送信を自動化することで効率化できる
SMS一斉送信を自動化することで、それまで電話連絡や訪問、投函などで賄っていた業務にかかる人件費や時間、コストを抑えることが可能です。例えば、入居者への連絡事項を書面で伝える場合、書面の作成、封入、投函という作業が発生し、これらに時間を取られてしまいます。また従来の連絡方法では、随時連絡事項を伝達することが難しいため、災害時の注意喚起など緊急性の高い連絡もスピーディに行うことができません。この入居者への連絡をSMSでの一斉送信で行った場合、必要な作業はSMSの文面作成と送信のみで、実際に入居者のもとに出向いて投函を行う手間がかからず、瞬時に複数の入居者へ情報を伝達することができるため、残業時間の短縮につながります。
他にも、入居者への連絡を電話で行う場合も、複数の入居者に対して電話をかける必要があり、入居者が電話に出ない場合は時間を改めてかけ直さなければなりません。結果として、かなりの時間を電話連絡のために費やしてしまいます。片や、SMSでの連絡ならば1回のメッセージ送信で済むため、電話連絡に要していた時間を他の業務に当てることが可能です。こうした業務の効率化によって、人件費を削減しつつ生産性を向上して利益につなげることができます。
不動産賃貸・管理業でのSMS活用まとめ
請求や督促、入居者への様々な連絡や、内覧希望者の予約確認、工事や修理の日程調整など、不動産賃貸・管理業では様々な場面でSMSを活用することができます。連絡業務をSMS送信サービスによって自動化することで、業務効率化を図り、コストを減らして生産性を向上することも可能です。入居者とのコミュニケーションが重要な不動産賃貸・管理業では、SMSを上手く活用することで、顧客満足度がアップするだけでなく、業務の効率化も図れます。
SMS HaNaは不動産賃貸・管理業で力を発揮するSMS一括送信サービス
今回紹介した不動産賃貸・管理業における活用方法を実現できるSMS一括送信サービスが「SMS HaNa」です。入居者に対する一斉送信に対応している他、国内4キャリアの直収接続で到達品質も高く、APIで基幹システムとの連携も行うことができます。宛名や個別メッセージの差し込みも行えるため、入居者それぞれに合わせた内容の送信も可能です。SMS一括送信サービスの検討を行う場合は、SMS HaNaに一度問い合わせることをおすすめします。
SMS HaNaの強み
日本テレネットのSMSサービス「SMS HaNa」が、よくあるお悩みをすべて解決します。
キャリア直収サービスで99%の到達率を実現
国内正規ルート経由によるキャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル、楽天モバイル)直収接続で、到達率99%以上の高い品質を実現。
利便性を高める機能を用意
メッセージの差し込みの10か所対応、短縮URLの最短文字での実現やURLのクリック状況の計測など、導入効果を高める機能を実現しています。
API連携にも対応
Webの管理画面からのSMS配信に加えて、貴社基幹システムとのAPI連携によるSMS配信にも対応。用途に応じた配信方法が可能です。
SMS HaNaの導入事例
不動産賃貸業
「聞いてない」「知らない」をSMSで解決!
東京都で不動産賃貸業を営むA社は、物件の内覧希望者に対して、日程の案内や日時の変更対応を電話で行っていた。また、内覧当日には物件オーナーへの連絡も電話で行っているものの、つながらない、入れ違いなどの理由で訪問してもカギが開いていない、お客様が来ないなどのトラブルも度々発生していた。
不動産取引業
顧客への案内をSMSで一本化!荷電業務を最小限に!
大阪府で不動産取引業を営むO社は、営業活動の一環として、取り扱う物件の案内を過去問合せをもらった顧客へ電話で行っていた。しかし、電話に出る顧客は少なく、効率の悪い業務に。また、書類送付の案内や返信の督促も電話で行っており、「電話業務」自体が課題になっていた。
自動車ディーラー
来店の予約にSMSを活用!
滋賀県で自動車ディーラーを営むS社は、各店舗に来店予約をしたお客様に対して、来店日の前日や、当日に予約確認電話をかけ、キャンセル、変更がないか確認していた。日中電話がつながらないことも多く、どうしても遅い時間帯での連絡なり、結果クレームになることも多くなっていた。メールで代用しようとも考えたが入力を嫌がる顧客も多く、連絡業務の効率化に頭を悩ませていた。
インターネット通販会社
SMSで休眠顧客の掘り起こしに成功!
東京都で美容商材のネット通販を営むM社は、自社通販サイトのリピート率の低下に頭を悩ませていた。商品案内としてメールマガジンを送っているものの、CVRは低迷。売上アップのためにリスティングやバナー広告などを出稿するも、結果は芳しくなく、新たなプロモーション方法を模索していた。
保険業
更新案内はSMSで「気づいてもらう」
東京都で保険の代理店を営むA社は、保険契約の更新に伴う書類の送付案内を電話で行っていた。重要な書類なため必ずお客様に連絡をする必要があったが日中はなかなかつながらず、時間帯や日にちを変えて何度も電話をすることに。業務上の大きな課題となっていた。
カルチャースクール
見てくれないメールから、見させるSMSへ!
新潟県でカルチャースクールを運営するA社は、実施する講座の変更案内をメールで行っていた。しかしメールの開封率は低く、変更前の日時に出席してしまうトラブルが多発。対応策として電話連絡を実施することとなり、業務の大きな負担になっていた。
調剤薬局
「服薬フォロー」はSMSで万全に!
福岡県で調剤薬局を営むY社は、改正医薬品医療機器等法により2020年9月から始まった「服薬フォロー」の義務化に対する対応を検討。荷電は人員不足、メールアドレスは取得率、郵送は届くまでの期間がかかるなどの理由で頓挫。効率的な手法を模索していた。