営業支援システムだけでは、営業は変わらない
営業支援システムだけでは、営業は変わらない
2019.01.29

営業支援システムだけでは、営業は変わらない

規模を問わず、多くの企業で採用されている営業支援システム(SFA)。しかしそれは、魔法のツールではありません。既存の手法とともに、使いこなすことで真価を発揮するのです。
では、どのように営業支援システムを使いこなせばいいのか。また、営業支援システムを利用する以外に、営業支援の方法はあるのかを、お話ししましょう。

営業プロセスを可視化・効率化する営業支援システム

営業という仕事は、かなり長いあいだ「勘と経験、努力と根性」が重要だと思われており、非常に属人性が強く、スーパースター級の営業職は破格の厚遇を受け尊敬を集めてきました。
しかし、営業という業務に関する情報を数値化して分析すれば、営業プロセスを標準化し、営業力の向上を図ることができるはずです。こうした要求から、現在のようなSFA…つまり営業支援システムが生まれました。
営業支援システムは、その名のとおり、営業の一連の業務を支援するため、各種の営業情報を数値化し、売上の最大化を図るものです。顧客データの管理から営業関連の数値を集計してレポートする機能、スケジュール管理や日報の作成、見積書や請求書の帳票作成機能など、営業活動に関するあらゆる業務をサポートする機能が盛り込まれています。
よく似たツールにCRM(顧客関係管理)がありますが、こちらは顧客とのコミュニケーションを管理し、顧客満足度を高めることをおもな目的として作られています。元々は異なるツールであり、機能にも違いがありますが、近年では両者の差はあまりなく、境界が曖昧になっています。

営業支援システム導入のメリット

営業支援システムを導入するメリットは、当然、営業業務の効率化です。そして、それがチームとしての営業力の強化、さらに売上の向上へとつながっていきます。

商談の進捗状況から、とるべき行動が明確になる

営業支援システムでは、顧客情報と案件情報のほか、進行中の商談の情報も管理することができます。
つまり、ゴールを目指す全体のフローの中で、現在どの状態なのかを把握できるのです。そのため、次にどのタイミングでどんな行動をとればいいのか、正確に判断することができます。

知識と手法をチームで共有できる

顧客、案件、商談といった各種情報は、データベースにどんどん蓄積されていきます。このデータをさまざまな角度で抽出して分析すると、「どんな状況でどんな手を打つべきか」という知識と手法の定石が見えてきます。それを実際の営業活動に反映させることで、チーム全体の営業プロセスを標準化し、スキルの底上げを図ることができます。

時間と場所に縛られることがない

営業支援システムの多くは、クラウドサービスとして動きます。つまり、端末さえあれば、外出先からでも操作ができます。顧客訪問を終えたところでその結果を入力すれば、その情報はすぐに社内のメンバー間で共有されます。日報を書くために会社に戻る必要もありません。時間にも場所にも縛られることがありませんので、営業活動の自由度が一気に上がります。

営業支援システムの導入には難しさもある

営業支援システムの導入には、金銭的や時間的な運用コストがかかります。ただし、基本的なシステムを少人数で使ってみたいという場合には、導入・運用コストともに大きな障害にはならないでしょう。それ以上に問題なのは、営業職の意識の問題です。

扱いきれずに終わる、悲しい結末

営業支援システムを導入することで、従来の作業フローが変化します。これを、「面倒だ」と感じる営業職は多いでしょう。また、営業に関するすべての情報がガラス張りになりますから、そこに拒絶反応を持つメンバーも出てくるかもしれません。こうした状況では、マネージャーも交えてチームメンバーの意識改革から始める必要があります。
また、せっかくの営業支援システムだからと、フル装備で導入したまでは良かったが、機能の多さや複雑さのため使いこなすことができず、やがて誰も使わなくなってしまったというケースもあります。

営業支援システムは必要な情報をもれなく入力し、その情報をさまざまな機能で抽出・分析することで真価を発揮します。「導入しただけで営業が変わる」というものではありません。もしも、そうした幻想を抱いているなら、営業支援システム以外の営業支援を考えたほうが賢明です。

営業支援システム以外の「営業支援」を考える

デジタルツールから離れたところで営業支援を考えるなら、まず営業プロセスを分解してみることです。ファーストコンタクトからクロージングまでの各ステップで、営業職がどんな点に負荷を抱えているのかを洗い出し、そこにどんな支援ができるのかを検討するのです。
時間的な面から見れば、顧客訪問に時間を取られるのは大きな負荷となるでしょう。それには、インサイドセールスの導入が有効であるはずです。また、顧客の最初の入り口となる新規開拓も、外注に委託すれば時間と労力を削られずに済みます。社内で行う場合でも、電話だけでなくFAX DMを併用すれば、短時間・低コストで営業活動の効率を高めることができます。FAXの送信先を、自社の商材にマッチする業種や規模の企業だけにしぼったとしても、それが大量にあれば、クローズに向けた営業プロセスの入り口を大きく広げることができます。こうした方策も、営業支援として有効でしょう。

「宝の持ち腐れ」にならないように

ビジネスの場面では、新たな概念やワークスタイル、デジタルツール、システムが、次々に登場しています。それらは、目新しく特徴的で、すばらしい効果を上げてくれるように見えます。
しかし、ツールやシステムに関していえば、導入したからといって売上が上がるというものではありません。使いこなすことができなければ、宝の持ち腐れになってしまいます。
ツールやシステムの導入にあたっては、その点をしっかり認識しておくことが大切です。そして、目新しいものばかりではなく、一見古典的な手法の中にも、有用なものがあるのだということを、忘れないようにしたいものです。

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