使いやすくて効果的であり、メリットが多い送受信方法として話題になっているのがSMS送信サービスです。このSMS送信サービスは医療業界でも注目を集めており、取り入れる病院や薬局が増えています。そこでこの記事では、SMS送信サービスの医療業界での活用ポイントや、活用例などを詳しくご紹介します。
医療業界でのSMS送信サービス活用のメリット
SMS送信サービスには幾つものメリットがありますが、医療業界でSMS送信サービスを活用する場合の主なメリットとしては次の7つが挙げられます。
SMSは携帯電話番号なので利用しやすく普及率が高い
SMSは、携帯電話番号を使って通信するのが特徴です。総務省の「移動体通信(携帯電話・PHS)の年度別人口普及率と契約数の推移」というデータによると、携帯の普及率は平成25年度末に100%を超え、平成30年度末には114.7%まで達しています。SMSはこのように普及率の高い携帯電話番号を利用するため、数多くの患者に対して通信することが可能です。パソコンの普及率は携帯電話ほど高くはなく、利用者がある程度限られているのが現状です。パソコンに慣れていない高齢者はもちろん、パソコンの所持率が比較的低い若者たちにとっても、携帯電話があれば通信可能なSMSは、利用しやすくて便利な通信方法だと言えるでしょう。
特に高齢者は、医療機関を利用することの多い世代です。そういった相手をターゲットにできるのが、SMS送信サービスの強みでありメリットです。
SMSはアプリケーションを使用しないので新たにインストールさせる必要がない
SMSの送受信は、ほとんどのスマホや携帯電話にあらかじめ備えられている標準アプリを使うため、新たにアプリケーションをインストールする必要がありません。携帯電話を購入した時点から使えますし、細かな設定をしなくても通信できるのがSMSのメリットです。アプリケーションのインストールは慣れていなければ戸惑うものですし、少し面倒だと感じる患者もいるかもしれません。その点SMSはインストールしなくても済むので助かります。機械に詳しくなくても利用でき、しかも使い勝手のよいのがSMS。患者や利用者にとって有益な情報を送信したい場合、余計な作業を必要としないSMSはたいへん役立つ存在です。
SMSは携帯電話番号への送信なのでメールより到達率が高い
SMSの特徴の1つに、受信先への到達率が高い、というものがあります。なぜSMSの到達率が高いのかというと、携帯電話番号を変更する人の割合がそれほど高くはないからです。携帯電話番号を変えない限り、SMSはほぼ間違いなく相手に到達します。また、ナンバー・ポータビリティー制度を利用する人が増えており、携帯会社を変更した際に電話番号を変える人はさらに少なくなってきています。メールは携帯会社を変える場合、アドレスの変更を余儀なくされることも多く、電話番号を使用するSMSほどは到達率が高くはありません。
またメールアドレスを聞きだすのは、思ったよりもたいへんなこと。その点電話番号なら、病院の窓口などで教えてもらいやすいので簡単です。こういった点からもSMSは、メールよりも高い到達率が見込まれます。
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SMSはアカウント認証に使用されるなどセキュリティが高い
携帯電話への配信なのでセキュリティが高いのも、SMSのメリットの1つです。電話を契約する際には身元を確認しますし、審査も行います。そのため電話番号の偽装は難しく、SMSを盗み見られる可能性はほとんどありません。また電話番号が流出したとしても、携帯電話本体を所持している限りSMSを覗かれる心配はほぼないので安心です。このセキュリティの高さを活かし、本人確認やアカウント認証によく使われているのがSMSの特徴であり優れている点です。患者の個人情報は極めて慎重に扱う必要があるので、セキュリティの高いSMSを上手に活用するのがおすすめとなります。
SMSは開封率が高く、使用頻度が低く埋もれず確実に読んでもらえる
メールの場合は迷惑メールが届くこともあり、開封率がそれほど高くはありません。また、ダイレクトメールやメールマガジンを配信する業者が多く、他のメールに埋もれやすくなっているのが実情です。その点SMSはまだまだ使用頻度が低く、埋もれにくいので安心です。SMSの平均未読数はメールの3分の1くらいだという調査結果もあるように、未読数の割合に関してはSMSの方が少なく、開封率は90%を超えるとされています。確実に読んでもらいたい情報を送るのなら、SMSの方を選ぶのがよいでしょう。
SMSは一斉送信などで業務効率化が図れる
SMSは単価自体が比較的低いため、直接電話するよりも費用がかからず経費の節約につながります。またSMSは送信を自動化できるので、業務効率化が図れるのもメリットです。一斉送信もできますし、操作も簡単ですぐに終わります。電話はかけても相手が出なければまたかけ直す必要がありますが、SMSは相手が不在でも届くため、送信し直すことは基本的にありません。連絡する対象者が多ければ多いほど、コストと業務効率に関するメリットが増大するのがSMSのよい点です。
API連携で管理システムから自動通知も可能
管理システムとSMS送信サービスをAPI連携させることにより、患者や利用者への自動通知が可能です。たとえば患者からの予約が入った場合、予約の可否などを患者本人に対して連絡する必要があります。予約管理システムとSMS送信サービスをAPI連携させると、予約が入ったと同時にSMS送信サービスを通じ、自動で予約結果を相手に送信することができます。また、支払いが必要になった場合にも、API連携により自動で支払い用のURLなどを送信できるので便利です。
医療業界でSMS送信サービス利用例
医療業界はSMS送信サービスにより、業務の効率化や売上の向上を図りやすい業界の1つです。医療業界でのSMS送信サービスの具体的な利用例は、次のようになっています。
診療予約忘れ防止の確認、予約日時変更でのドタキャン防止
管理システムとSMS送信サービスをAPI連携させることにより、予約の前日に予約確認のSMSを自動送信することも可能です。病院の次回予約はある程度の期間をおくのがほとんどであり、つい忘れてしまうこともあるものです。SMS送信サービスを利用すれば前日に確認のSMSを自動で送信することもできるので、当日の予約忘れの防止が可能です。また、予約変更用の電話番号を記載することにより、ドタキャンを未然に防ぐことが期待できます。予約の事前確認のためにSMS送信サービスを導入したところ、実際に予約忘れやドタキャンが減ったという事例が複数存在しているのはチェックしておきたいポイントです。
災害時の安否確認など緊急連絡網構築
大きな災害が生じた場合、医師や職員の安否を確認することは欠かせない業務です。その日の担当医師や職員が出勤できないときには、非番の人に連絡をして、業務を代わってもらわなければならないこともあるでしょう。こうした事態に備えるための緊急連絡網構築に、SMS送信サービスは適しています。というのは、一斉に送ることができますし、返信するのが容易なためコミュニケーションが取りやすいからです。電話での連絡は相手が出るまで待つ必要がありますし、災害時には民衆が電話を利用する率が高まるため、通じにくくなる可能性が生じます。SMSは相手が電話に出なくても届くので、緊急連絡時に適した通信手段です。
デイサービスの送迎時間や休日連絡
SMS送信サービスは、デイサービスの送迎時間を通知したり、休日を連絡したりする場合にも効果的です。利用者によって送迎時間は異なるものですが、個別送信もできるので対応することが可能です。また利用者全体に向けて、休日となる日を一斉送信により伝えることもできます。またSMS送信サービスには、次のようなメリットがあるのでおすすめです。
SMSは文字なので「何時だっけ?」など確認の電話がなくなる
SMSはテキスト形式での送信なので、受信者のもとに文字として情報が残ります。先ほどの送迎時間の送信でもそうですが、患者や利用者から「何時だっけ?」などといった、確認の電話がくることはほぼありません。利用者が忘れたとしてもメッセージを見返すことができますし、電話のように聞き間違える心配もないので安心です。
改正医薬品医療機器等法(薬機法)に対応できる
医療業界、特に薬局において、SMS送信サービスは欠かせない存在となりつつあります。というのは、SMS送信サービスは改正医薬品医療機器等法(薬機法)に対応できる可能性があるからです。では薬機法とはどんな法律で、SMS送信サービスはどのような役割を果たすことが期待されているのでしょうか。
改正医薬品医療機器等法(薬機法)について
新たに改正された薬機法とは、2019年11月27日に法案が成立し、2020年9月1日に実際に施行がスタートした法律です。簡単に言えば医薬品を安全に提供し、服用の手助けをするよう定められたものであり、医療現場では薬剤師や薬局との関わりが深いのがポイントです。薬局の定義の見直しがされていますし、薬剤師による服薬指導が義務化されたことは覚えておく必要があります。同時に、オンラインでの服薬指導が可能になった点も見逃すわけにはいきません。かつて薬局は調剤を行う場所であるとされていましたが、改正された薬機法では、「薬剤や医薬品の適正な使用に関する情報を提供し指導する」場所であることもプラスされています。
これはどういう意味かというと、薬局や薬剤師は調剤するだけではなく、薬の説明と服薬指導も行わなければならなくなった、ということです。服薬に関してはオンラインでの指導が可能になったため、SMSの特徴を活かして取り組むのは賢明なことだと言えるでしょう。
新薬機法にインストールがいらないSMS活用
SMSは標準アプリを使うのでインストールしなくても済みますし、立ち上げる必要もありません。服薬指導を行いたいときや、服薬期間中のフォローをする際、手持ちの携帯やスマホに標準装備されているSMS機能を使うことでスムーズに対応することが可能です。新薬機法にとってインストールがいらないSMSは、活用しやすくて有益な通信手段として位置付けられてきています。
SMSでのオンライン服薬指導対応
以前は服薬指導は薬局だけで行うものでしたが、オンラインにより家庭での指導も可能となっています。調剤された薬に関する説明を受けたり、服用の仕方などを説明されたりしたとしても、時間が経つにつれて忘れてしまう患者もいるものです。SMS送信サービスを使えば、オンラインで状況を確認し、スムーズに服薬指導を行うことが可能です。SMSは患者からのフィードバックが得られやすいものですし、文章として残るため患者が勘違いしにくいので役に立ちます。
SMSでのオンライン対応時の代金回収手段
支払い専用のURLをSMSで送信することにより、在宅患者オンライン服薬指導料などといったオンライン対応時の代金を回収することも可能です。支払い専用URLを電話で伝えるのは、現実的ではありません。また、郵送では時間がかかってしまいますし、メールは開封率が比較的低いため、支払い専用URLという大事な情報を送るのにはあまり適していないのが現状です。SMSは開封率が高いですし、テキストで案内されるので支払いの手順を理解しやすいのがメリットです。
APIでのシステム連携による業務効率化
APIでのシステム連携によって、業務の効率化を図ることが可能です。APIの連携先はいくつかありますが、SMS送信サービスとAPI連携することにより、次の効果が期待できます。
SMS一斉送信を自動化することで効率化できる
外部からの緊急災害情報が伝達された時点で、自動で災害対策用のSMSを一斉送信することができれば、手動で送信する手間が省けるので業務の効率化が図れます。SMS送信サービスとのAPI連携により、これは実現可能です。また、SMS送信サービスであれば救急患者が搬送されたと同時に、医師の緊急招集をかけることもできます。緊急時での電話対応は時間がかかりますが、SMS一斉送信ならばスムーズに伝達することができます。緊急時の対処は迅速に行わなければならないものなので、SMS一斉送信の自動化は十分に検討する価値がある方法です。
医療業界でのSMS活用まとめ
医療業界でのSMSの利用価値は高く、多方面での効果が望めます。予約忘れやドタキャンを減少させることが期待できますし、SMS一斉送信の自動化により、業務の効率化も狙えます。
SMS HaNaの強み
日本テレネットのSMSサービス「SMS HaNa」が、よくあるお悩みをすべて解決します。
キャリア直収サービスで99%の到達率を実現
国内正規ルート経由によるキャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル、楽天モバイル)直収接続で、到達率99%以上の高い品質を実現。
利便性を高める機能を用意
メッセージの差し込みの10か所対応、短縮URLの最短文字での実現やURLのクリック状況の計測など、導入効果を高める機能を実現しています。
API連携にも対応
Webの管理画面からのSMS配信に加えて、貴社基幹システムとのAPI連携によるSMS配信にも対応。用途に応じた配信方法が可能です。
SMS HaNaの導入事例
調剤薬局
「服薬フォロー」はSMSで万全に!
福岡県で調剤薬局を営むY社は、改正医薬品医療機器等法により2020年9月から始まった「服薬フォロー」の義務化に対する対応を検討。荷電は人員不足、メールアドレスは取得率、郵送は届くまでの期間がかかるなどの理由で頓挫。効率的な手法を模索していた。
自動車ディーラー
来店の予約にSMSを活用!
滋賀県で自動車ディーラーを営むS社は、各店舗に来店予約をしたお客様に対して、来店日の前日や、当日に予約確認電話をかけ、キャンセル、変更がないか確認していた。日中電話がつながらないことも多く、どうしても遅い時間帯での連絡なり、結果クレームになることも多くなっていた。メールで代用しようとも考えたが入力を嫌がる顧客も多く、連絡業務の効率化に頭を悩ませていた。
インターネット通販会社
SMSで休眠顧客の掘り起こしに成功!
東京都で美容商材のネット通販を営むM社は、自社通販サイトのリピート率の低下に頭を悩ませていた。商品案内としてメールマガジンを送っているものの、CVRは低迷。売上アップのためにリスティングやバナー広告などを出稿するも、結果は芳しくなく、新たなプロモーション方法を模索していた。
保険業
更新案内はSMSで「気づいてもらう」
東京都で保険の代理店を営むA社は、保険契約の更新に伴う書類の送付案内を電話で行っていた。重要な書類なため必ずお客様に連絡をする必要があったが日中はなかなかつながらず、時間帯や日にちを変えて何度も電話をすることに。業務上の大きな課題となっていた。
不動産取引業
顧客への案内をSMSで一本化!荷電業務を最小限に!
大阪府で不動産取引業を営むO社は、営業活動の一環として、取り扱う物件の案内を過去問合せをもらった顧客へ電話で行っていた。しかし、電話に出る顧客は少なく、効率の悪い業務に。また、書類送付の案内や返信の督促も電話で行っており、「電話業務」自体が課題になっていた。
不動産賃貸業
「聞いてない」「知らない」をSMSで解決!
東京都で不動産賃貸業を営むA社は、物件の内覧希望者に対して、日程の案内や日時の変更対応を電話で行っていた。また、内覧当日には物件オーナーへの連絡も電話で行っているものの、つながらない、入れ違いなどの理由で訪問してもカギが開いていない、お客様が来ないなどのトラブルも度々発生していた。
カルチャースクール
見てくれないメールから、見させるSMSへ!
新潟県でカルチャースクールを運営するA社は、実施する講座の変更案内をメールで行っていた。しかしメールの開封率は低く、変更前の日時に出席してしまうトラブルが多発。対応策として電話連絡を実施することとなり、業務の大きな負担になっていた。