SMS送信サービスは、高い到達率と開封率などの理由から、様々な業界で導入が行われているサービスの一つです。今回は、保険業界においてSMS送信サービスを導入するメリットや、SMSをどのように活用するかなどについて説明します。
保険業界でのSMS送信活用のメリット
まずは、保険業界においてSMS送信を活用することはどのようなメリットがあるのかについて説明します。自社でSMS送信サービスの導入を検討する際には、本項の内容を参考にすると良いでしょう。
SMSは携帯電話番号なので普及率が高い連絡手段
SMS(ショートメッセージサービス)はフィーチャーフォンやスマートフォンなどの携帯電話端末を利用してメッセージを送信することができるサービスです。宛先には携帯電話番号が使われるのが特徴で、ほぼすべての携帯電話端末にはSMSの送受信機能が標準で備わっています。総務省の調べでは、2021年度末時点において携帯電話・PHSの契約数は1億9,512万件です。2022年3月1日時点での日本の人口の確定値が1億2526万人(総務省統計局の令和4年3月報より)であることを考えれば、実に1人あたり1台以上を所持している計算となり、普及率が高い通信手段と言えます。
普及率が高い通信手段ということは、ほとんどの顧客が使用可能な通信手段であることを意味します。規格も各キャリア間で統一されているため、キャリアごとにメッセージを分ける必要もありません。このことから、多数の顧客に一括でメッセージを送信したい場合に適した通信手段の一つと言えます。
SMSは到達率が高く誤配信のリスクが少ない
SMSと同様にメッセージをやりとりする通信手段として電子メールが存在しますが、SMSと電子メールを比較した際のSMS側の利点は「到達率の高さ」です。電子メールの場合、迷惑メール対策などの都合でメールアドレスを変えられてしまうケースが少なくありません。このため、企業側が持っている顧客のメールアドレスの情報が古い場合、メッセージが届かない恐れがあります。
一方、SMSで宛先として使用されるのは携帯電話番号です。携帯電話番号はモバイルナンバーポータビリティ(MNP)の存在もあり、機種変更やキャリア変更を行ったとしても同じ番号を使い続けることができるため、メールアドレスと比較して変更が少ないことがポイントです。したがって、SMSは宛先が存在しないことによる不達や、別人が当該番号を使っていたことによる誤配信などのリスクが低く、到達率の高い通信手段になります。
※メールアドレスの継続利用ができるオプションサービスを提供しているキャリアもあります(2022年6月時点)
SMSは携帯電話の持ち主のみ受信可能でセキュリティが高い
過去にSMSを利用した詐欺被害が頻発したため、SMSはセキュリティ面に不安があると感じる人も少なくありません。しかし、2022年現在、SMSはむしろセキュリティ面で優れた通信手段と言えます。なぜなら、SMSの詐欺被害頻発を受けた携帯キャリア各社により、メッセージ送信者のフィルタリングが強化され、不審な番号からの送信をブロックする態勢が作られているからです。SMSが送信される前に詐欺メッセージを弾くことができるようになったため、安全にSMSを使用できるようになりました。
また、SMS送信サービスは国内キャリア3社との直収回線を用意しています。この回線は他から接続することができない閉域網で構築されているため、送信内容を他者が読み取ってしまう心配はありません。さらに、携帯電話番号は契約の際に身元確認をしっかりと行う必要があるため、偽装や複製を行うことが困難です。そして、SMSが届くのは対象の携帯電話番号を契約したSIMが搭載された携帯端末のみであるため、対象の端末本体が直接盗まれるなどのケースが発生しない限り、SMSの内容が他者に知られてしまう可能性は低いと言えます。以上のことからわかるように、SMSは安全に使用できるメッセージ送受信手段なのです。
SMSは開封率が高い・視認率が高い
SMSのメリットには開封率や視認率の高さがあります。同様のメッセージ通信手段である電子メールと比べると、SMSは送受信頻度が低いため、届けば顧客の注意を引きやすいのがその要因の一つです。また、SMSの受信の際には画面にその旨が通知されます。この通知機能はデフォルトでONの設定となっており、着信を確実に把握することが可能です。先に述べた送受信頻度の少なさによって、他の通知に埋もれることが少なく、顧客が気づきやすいことも、視認率の高さに一役買っています。視認率や開封率の高さは、顧客がメッセージを読んでくれる可能性が高いことを意味します。このため、SMSは確実に読んで欲しい内容を送る際に最適です。
SMSはコストパフォーマンスが高い
SMSは運用コストが低いことも利点として挙げられます。SMSは一通送るごとに料金が発生するため、一見すると電子メールのほうがコストが低く見えますが、先述した開封率の高さを考えると、SMSのコストパフォーマンスは見た目以上に高いのです。電子メールでSMSと同等の効果を得るには、配信数を10倍にする必要があり、送信先を確保するためのコストが発生します。逆に言えば、SMSは電子メールの十分の一の労力でメッセージを届けることが可能です。
また、SMSの運用コストの低さは、自動化による業務効率化によってももたらされます。それまでダイレクトメールやチラシを送る際に発生していた作成や封入、投函などの作業はSMSの自動送信を行う際には不要であるため、こうした作業にかかる工数を削減し、人件費を抑えることができます。業務の効率化によるコスト削減という面でも、SMSは有効な通信手段と言えるのです。
SMSはお客様の時間を奪わない
電話で連絡する場合、顧客は電話を取り、通話をするために時間を割く必要が生じてしまいます。電話の受け手がその時間帯に多忙であれば後で折り返しの連絡を行うこともありますが、結局電話連絡を行うために十分な時間を確保しなければなりません。その点、SMSは送信さえしてしまえば、後は顧客が読むだけで良いのです。都合の良い時間を選んで読めるため、顧客の時間を割く心配のない通信手段としてもSMSは優れていると言えます。
保険業界でSMSが活用できる業務
前項の内容で述べた通り、SMSには様々な利点があります。では、保険業界ではこれらの利点を活かすためにどのようにSMSを利用すれば良いのでしょうか。以下では、保険業界でSMSが活用できる業務について説明します。
更新手続きに伴う書類郵送の連絡
保険の更新手続きを行う際には、契約更新に関わる様々な書類を顧客に送ってもらう必要があります。こうした書類の郵送は忘れられやすく、更新手続きの書類を送ってもらえないことも少なくありません。ですが、SMSで書類郵送に関するリマインドを送ることで、顧客に書類郵送を行ってもらえる確率が高くなります。これにより、未提出の顧客の対応にかかる工数を減らすことが可能です。また、こちらから契約更新に関わる書類を郵送する際にも通知を送ることで、顧客側の郵便物の開封率を上げることにも繋がります。
自動車保険・火災保険の継続更新手続き業務
自動車保険や火災保険では、継続更新手続きの際に登録情報に変更がないかを確認したり、料金を振り込んでもらったりするなどの様々な手続きが発生します。これらの確認作業を電話で一人一人対して行うのは手間がかかる他、確実に相手が電話に出るという保証もないため、掛け直しで莫大な労力を費やしてしまうこともあります。一方、SMSで確認連絡を行う場合、顧客の都合の良いタイミングで返信や折返しの連絡を受けることができるため、業務にかかる労力を減らし、効率よく更新手続き業務を行うことが可能です。また、SMSは文字情報でやりとりを行う特性上記録が残るため、後から情報を見返す際にも役に立ちます。
保険料口座振替や振込完了のお知らせ
残高不足などの理由で、保険料の口座振替ができなかった際の通知でもSMSが役に立ちます。例えば、郵便で通知を送る場合、通知を送ってから顧客が受け取るまでの間に1日から2日のタイムラグが発生してしまいますが、SMSは送信から受信までのタイムラグがないため、顧客はすぐに振替が行われなかったことが把握することが可能です。また、この時手動での振込を依頼する場合がありますが、その際に振込先の口座情報や振込金額をSMSに記載することで、顧客側の振込先間違えや金額の過不足などといったリスクを減らすこともできます。
さらに、正常に振替や振込が行われた際の通知にもSMSを活用可能です。無事振込が行われたことを知らせつつ、いつ、いくら引き落とされたかを顧客に把握してもらえます。通帳への記帳や入出金明細を確認する手間をかけることなく入金が行われたことを把握できるため、顧客の安心感や満足度を高めることにもつながります。
ご契約失効のお知らせ
契約が失効してしまった際のお知らせにもSMSは有効な手段です。契約失効のお知らせは重要な情報であるため、顧客にいち早く確実に伝える必要があります。その点において、SMSは開封率や視認率が高く最適な通信手段です。これにより、顧客は失効の取り消しや復活、解約返戻金の受け取り等の必要な手続きをスピーディに行うことができます。
未収保険料の支払い願い(督促)
保険料の支払いが滞ってしまっている顧客に対する督促を行う上で、SMSは最適な連絡手段と言えます。顧客側が保険料の支払いを忘れていることで未収保険料が発生するケースは少なくありません。SMSで未収となっている保険料の存在やその金額、振込先を告知することで、督促に関わる業務を効率化することが可能です。また、顧客側も即座に未収保険料の存在を把握できるため、保険料のスピーディな回収を行うことにもつながります。
アンケートなどへの活用
SMSでは、URLを送信することが可能です。これを活かして、アンケート調査などを行う際にSMSを利用することが考えられます。アンケートサイトを開設し、SMSでアンケートサイトのURLを送信することで、多くの人をアンケートサイトに誘導することが可能です。紙媒体でアンケートを行う場合はアンケート結果を返送する手間がありますが、アンケートサイトならばアクセスして回答を記入し送信する、というステップだけで済むため、迅速に回答を回収することができます。他にも、保険に関する顧客からの問い合わせをSMSで受ける、契約者向けのキャンペーンの告知をSMSで行うなどの活用方法も考えられます。
自治体などの健康保険料、後期高齢者医療保険の督促
保険業者だけでなく、自治体の健康保険料や後期高齢者医療保険に関する督促にもSMSは活用されています。SMSの到達率は高いため、自治体からのお知らせも開封してもらいやすいです。また、セキュリティ面でも優秀なため、自治体を名乗る詐欺メールが流通しづらいことや、送信元が通知されることから、受け手側も安心して通知を受け取ることができます。
APIでのシステム連携による業務効率化
SMS送信サービスには、API(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)と呼ばれる、他のシステムとの連携を行うための仕組みが用意されています。このAPIを使うことで、自社システムと連携してSMSを送信することが可能です。APIを利用したシステム連携は業務の効率化を行う上でとても役立ちます。例えば、契約更新が近い顧客を自社システムで割り出して、その顧客に対して更新手続きの告知メッセージを一斉に送信するなどの利用方法が考えられます。
SMS一斉送信を自動化することで効率化できる
APIを使うことで、特定の顧客に向けてSMSの一斉送信を行うことができるようになります。上記で挙げた例で言えば、契約更新が近い顧客への更新手続きに関する告知メッセージを予め用意しておいて、特定の日時にそのメッセージを自動で一斉送信することが可能です。この自動送信の仕組みを作っておくことで、契約更新が近くなる都度通知を送ったり電話連絡をしたりといった業務を省略できます。契約更新に伴う業務によって発生していた残業時間を減らすなどの効果もあるため、人件費などのコストを減らせるだけでなく、利益の向上にもつながります。
保険業界でのSMS活用まとめ
SMSの到達率や開封率の高さを活かすことで、契約更新の連絡や保険料の督促など、重要な連絡を顧客に対して迅速かつ確実に行うことができます。また、APIを利用したシステム連携による自動送信を行うことで、督促や契約更新などの業務にかかるコストや時間を減らし、業務の効率化につなげることも可能です。
保険業界でSMS送信サービスを利用するなら「SMS HaNa」がおすすめ
保険業界で督促や契約更新などの業務を効率化したい場合、SMS送信サービスの「SMS HaNa」がおすすめです。SMS HaNaは、短縮URLや個別の内容の差し込みなど、豊富な機能を備えています。さらに、国内キャリアからの直収接続を行っていることに加えて、有人での24時間365日監視体制を敷いているなど安心して使用できる仕組みも万全です。SMS送信サービスの導入を検討している場合、まずはSMS HaNaに問い合わせすることをおすすめします。
SMS HaNaの強み
日本テレネットのSMSサービス「SMS HaNa」が、よくあるお悩みをすべて解決します。
キャリア直収サービスで99%の到達率を実現
国内正規ルート経由によるキャリア(NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル、楽天モバイル)直収接続で、到達率99%以上の高い品質を実現。
利便性を高める機能を用意
メッセージの差し込みの10か所対応、短縮URLの最短文字での実現やURLのクリック状況の計測など、導入効果を高める機能を実現しています。
API連携にも対応
Webの管理画面からのSMS配信に加えて、貴社基幹システムとのAPI連携によるSMS配信にも対応。用途に応じた配信方法が可能です。
SMS HaNaの導入事例
保険業
更新案内はSMSで「気づいてもらう」
東京都で保険の代理店を営むA社は、保険契約の更新に伴う書類の送付案内を電話で行っていた。重要な書類なため必ずお客様に連絡をする必要があったが日中はなかなかつながらず、時間帯や日にちを変えて何度も電話をすることに。業務上の大きな課題となっていた。
自動車ディーラー
来店の予約にSMSを活用!
滋賀県で自動車ディーラーを営むS社は、各店舗に来店予約をしたお客様に対して、来店日の前日や、当日に予約確認電話をかけ、キャンセル、変更がないか確認していた。日中電話がつながらないことも多く、どうしても遅い時間帯での連絡なり、結果クレームになることも多くなっていた。メールで代用しようとも考えたが入力を嫌がる顧客も多く、連絡業務の効率化に頭を悩ませていた。
インターネット通販会社
SMSで休眠顧客の掘り起こしに成功!
東京都で美容商材のネット通販を営むM社は、自社通販サイトのリピート率の低下に頭を悩ませていた。商品案内としてメールマガジンを送っているものの、CVRは低迷。売上アップのためにリスティングやバナー広告などを出稿するも、結果は芳しくなく、新たなプロモーション方法を模索していた。
不動産取引業
顧客への案内をSMSで一本化!荷電業務を最小限に!
大阪府で不動産取引業を営むO社は、営業活動の一環として、取り扱う物件の案内を過去問合せをもらった顧客へ電話で行っていた。しかし、電話に出る顧客は少なく、効率の悪い業務に。また、書類送付の案内や返信の督促も電話で行っており、「電話業務」自体が課題になっていた。
不動産賃貸業
「聞いてない」「知らない」をSMSで解決!
東京都で不動産賃貸業を営むA社は、物件の内覧希望者に対して、日程の案内や日時の変更対応を電話で行っていた。また、内覧当日には物件オーナーへの連絡も電話で行っているものの、つながらない、入れ違いなどの理由で訪問してもカギが開いていない、お客様が来ないなどのトラブルも度々発生していた。
カルチャースクール
見てくれないメールから、見させるSMSへ!
新潟県でカルチャースクールを運営するA社は、実施する講座の変更案内をメールで行っていた。しかしメールの開封率は低く、変更前の日時に出席してしまうトラブルが多発。対応策として電話連絡を実施することとなり、業務の大きな負担になっていた。
調剤薬局
「服薬フォロー」はSMSで万全に!
福岡県で調剤薬局を営むY社は、改正医薬品医療機器等法により2020年9月から始まった「服薬フォロー」の義務化に対する対応を検討。荷電は人員不足、メールアドレスは取得率、郵送は届くまでの期間がかかるなどの理由で頓挫。効率的な手法を模索していた。