「テレワーク」は20年以上前から提唱されている働き方ですが、2020年の新型コロナウイルスのまん延防止策として急速に浸透してきました。企業・従業員のそれぞれにメリットのあるテレワークですが、当然オフィス勤務と比べた時のデメリットも存在します。この記事では最近のテレワーク事情や企業・従業員それぞれの立場から見た意見も踏まえて解説してきます。
コロナ禍以前~現在までのテレワーク実施率の推移
内閣府の2021年11月の発表によると、コロナ禍直前の2019年12月のテレワーク実施率は10.3%でした。これが2020年5月の緊急事態宣言発令後、2倍以上の27.7%にまで上昇。2021年9-10月には、32.2%の企業が実施しているとされています。
その後、株式会社パーソル総合研究所によって2022年2月4日~2月7日の期間に2万人規模の調査を実施した結果、正規雇用社員のテレワーク実施率は28.5%へと下がりました。調査機関が違うので単純な比較はできませんが、下落の理由として、コロナの重症化リスク低下報道などをうけて感染への警戒心が薄れたことや、外出しての飲食制限に比べてテレワークへの注目度が下がっていることなどが考えられます。
参考リンク
https://www5.cao.go.jp/keizai2/wellbeing/covid/pdf/result4_covid.pdf
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000617.000016451.html
企業規模や業種別ごとにみるテレワークの導入の差
テレワークの実施率は従業員が増えるにつれて高くなるという調査結果が出ています。また、業種別にみると情報通信業(IT)がもっとも高く、次いで電気やガスなどのインフラ系、金融や保険、不動産業の順となります。パソコン業務が多い業種はテレワークに移行しやすい反面、対面での業務や現場ありきの業種はテレワークの導入がなかなか難しいというのが実状です。
テレワークの実施率を地域別にみると、東京都が突出して高く、東京都以外の地方圏では低い傾向にあります。その差が生まれる原因に「収入格差」があると言われています。収入以外にも、東京都にはITや金融系などの企業が多く集まっていることも要因の一つとして考えられます。
テレワークの実施率が増え続けている東京都では、終日のテレワークに加え半日・時間単位でのテレワーク(テレハーフ)が推奨されています。2022年4月時点でのテレハーフの実施率は21.5%と、その割合を徐々に増やしてきています。
大手企業が行ったテレワーク関連の取組
コロナによって様変わりした「ウィズコロナ」や「アフターコロナ」を見据えた働き方が生まれる中、一部の大手企業では新たな改善策を打ち出してきています。
テレワークを増やした企業
通信大手のNTTグループでは、従業員の勤務形態を原則としてテレワークにする新制度を2022年7月1日より導入すると発表。持株会社のNTTやNTT東日本、NTT西日本、NTTドコモ、NTTデータなどの主要会社を中心に従業員約3万人が対象となり、国内のどこに居住していても勤務できるようになります。
同様にヤフー株式会社でも、時間と場所に捕らわれないリモートワーク制度“どこでもオフィス”を改定。居住地・通勤手段の制限を完全に撤廃した勤務形態が2022年4月1日より一部で開始されています。
テレワークを減らした企業
一方で、国内自動車メーカーである本田技研工業株式会社は、2020年4月より全社的に実施してきたテレワークを2022年5月の大型連休明けから取り止め、全従業員がコロナ前と同じように週5日間をすべて強制出社による勤務に切り替える方針を発表しています。全従業員が出社することで、社内で対面でのコミュニケーションを活性化させるのが狙いのようです。
また、楽天グループでも、昨年の11月から週3日出社・週2日のテレワークを週4日出社に増やしています。楽天グループでは、妊婦や同居人に被介護者がいる従業員は対象外とし、テレワークの日数を多くできる配慮も取られています。
テレワークのメリットについて
オフィス外でも働けるテレワークは、企業・従業員の双方にメリットがあります。具体的には以下の様なものがあげられます。
コスト削減
テレワークは、企業のコスト削減にも大きく貢献します。社員が通勤せずに自宅で働けることによって、定期代・移動代など交通費は減少。さらに、オフィスのスペースを拡張することなく人員を増やすことができるので、固定費(事務所の家賃や維持費など)を抑えることにもつながります。
優秀な人材の確保・離職防止
出社に縛られない柔軟な働き方であるテレワークは、効率的な働き方を望んでいる優秀な人材の確保や離職防止にも期待できます。安定した収益基盤の構築や福利厚生はもちろん大切ですが、柔軟な働き方であるテレワークは能動的に働くことができる優秀な人材へのPRにもなり得ます。
通勤時間がなくなる
皆さんは通勤にどれくらい時間がかかっているでしょうか。テレワークで従業員の通勤が無くなると、その時間はその人のプライベートに還元されます。プライベートが充実すれば、日々の業務の効率が上がり、より生産性の高い仕事も行えるようになるでしょう。ワークタイムバランスの向上に、テレワークは役立ちます。
到達率・開封率に優れている
SMSは受信すると携帯に受信したことがポップアップで表示されるため、受信者はメッセージが届いたことに気づきやすく、確認されやすい仕様です。変更されにくい携帯電話番号に直接送信できることとあわせて、メールに比べメッセージの開封率は10倍以上とも言われています。
育児や介護と両立した働き方ができる
時間に余裕が生まれるテレワークは、妊娠・出産後も離職せずに働き続けたいと思う女性にも有効です。また、介護を必要とする家族がいる場合も同様で、自宅で介護の時間を確保しながら働くことができます。
テレワークの課題
様々なメリットがある一方で、テレワークを行う上での課題も当然あります。調査やアンケートで浮き彫りになった課題には、以下の様なものがあります。
社員同士のコミュニケーションがとりにくい
ペーパーロジック株式会社の調査によると、テレワークの課題として「従業員同士の社内コミュニケーション」を上げる企業が多いようです。テレワークはオフィス勤務と違って、直接対面することがない働き方です。そのため今まで行ってきた働き方ではコミュニケーション不足に陥りやすく、「上司からの確認・指示を得にくい」という意見も次に多い回答に。解決するためには電話だけでなく、ビデオ会議やチャットなどのシステムをうまく活用して補完していく必要がありそうです。
出典:https://paperlogic.co.jp/news_20200306/
社員の監視、統制が取りにくい
オフィスでの勤務と違い、テレワークの運用は従業員の自主性がカギになります。ゆえに、旧来のトップダウン型のマネージメントでは効果はなかなか出ないでしょう。テレワークにはテレワークに合った組織運営が必要になります。効果を出すには勤怠管理やワークフローなど、ITを駆使し、つねに改善・最適化していくことが必要です。
新たなセキュリティ対策が必要になる
テレワークでは、PCやスマートフォンを社外に持ち出して、働くことになります。そのため、紛失や盗難、不正アクセスなど情報漏洩のリスクは社内での勤務より高くなるため、今まで以上にセキュリティシステムの導入や定期的な社内教育が必要になります。
まとめ
数年前は賛否両論のうち、「否」が多かったテレワークですが、現在では広く社会に受け入れられており、また多くの人々がテレワーク中心の働き方を望んでいます。従業員が望む働き方の提供は、個人のQOLを高め、企業の業績向上に繋がり、結果「持続可能な企業」へ繋がります。業種や業務内容、場所などさまざまな条件によって難度は変わりますが、ウィズコロナ、アフターコロナ時代にテレワークは必要なもの。どうすれば実現できるのかを考えるだけでも会社にとってプラスになるはずです。ぜひ皆さんも検討してみてください。
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