SMSは、Short Mail/Message Serviceの略称で携帯電話番号宛に短いテキストを送ることができるサービスです。キャリアに関係なく使えるSMSをうまく使えば、顧客とより密なコミュニケーションが取れるなどさまざまなメリットがあります。この記事では、そんなSMSの機能や送り方、使う際の注意点について詳しく解説していきます。
SMSとは
SMSは、相手の携帯電話番号さえわかればメッセージを送ることができます。専用のアプリをインストールする必要がなく、またキャリアが違ってもメッセージのやりとりができるのが特徴です。友人同士で使うのはもちろんのこと、企業から顧客に対して情報発信をしたいときにも非常に使い勝手のいいサービスです。
世界共通のテキストメッセージ・サービス規格
SMSのすごいところは、世界共通のサービス規格であるという点です。つまり、自分が世界のどこにいても、また相手が世界のどこにいても携帯電話番号がわかっていればメッセージを送れます。旅行中の家族にメッセージを送ったり、出張先で会社にいる部下に指示を出したりといったコミュニケーションも容易にできるでしょう。国際SMSを送るときには、相手の電話番号の前に国番号を入力します。キャリアによっては「+」を入れたり「010」を入れたりといった違いはありますが、それ以外は国内同様の使い方が可能です。ただし、国によっては電波が入りにくく、メッセージが届きづらいところもあります。
SMSとメールとの違い
SMSとメールを比較すると、送り先が携帯電話番号かメールアドレスか以外にも様々な違いがあります。所持している送信先の情報や送信したい内容などによりうまく使い分けることが重要です。
※弊社調べ
SMSの詳細機能
SMSで受け取ることができる情報は、「受信時刻」「発信者」「本文」の3つです。「受信時刻」は、端末がメッセージを受け取った時間を表します。国内でやり取りする場合はそれほど大きなタイムラグはありませんが、電波が届きにくいところにいる場合は相手の送信時刻と受信時刻がずれることもあります。発信者は、電話帳にすでに携帯電話番号が登録されていれば、表示されるのは登録されている名前です。そうでなければ携帯電話番号が表示されるだけですので、初めての相手にメッセージを送るときには本文内で名乗る必要があります。
1通70文字、最大670文字まで送信できる
本文では、漢字とひらがな、カタカナ、英数字、記号を用いることができます。1通で送れる文字数は基本的には全角70文字、半角160文字です。ただし、条件を満たせば最大670文字まで送ることができます。ただ、NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイル・楽天モバイルともに70文字ごとに1通あたりの送信料金は増え、70文字以下だと3.3円(税込)ですが、670文字で送信すると1通あたり33円(税込)かかるので、なるべく簡潔な文章を送るようにしましょう。
プラスメッセージ(+メッセージ)
Androidに標準で搭載されているプラスメッセージ(+メッセージ)というメッセージ送信アプリケーションをご存じでしょうか。プラスメッセージとは、NTTドコモ、au、ソフトバンクモバイルの携帯キャリア3社が共有規格で提供しているRCS(Rich Communication Service)で、最大2,730文字の送信が可能となっています。
プラスメッセージは文字の送信だけでなく、画像や動画などを送信することもできます。
最近のAndroid端末では標準で同アプリケーションが搭載されていますが、機種によっては搭載されていないことがあるので注意が必要です。
※プラスメッセージはiPhoneでもアプリケーションをインストールすれば利用できます。
SMSのメリットについて
送受信に必要なのは携帯電話番号だけ
SMSは、相手の携帯電話番号さえわかればメッセージの送受信ができます。SMSは電話回線を使用して送受信を行うため、パケット通信料とは別に利用料金が発生します。料金体系はキャリアによって若干異なりますが、送る文字数や通数に比例して料金は上がっていきます。
SMS認証ができる
Webサービスやアプリなどの登録時に、自身のスマートフォン宛にSMSで確認コードを入手したことはありませんか? 「SMS認証」は本人確認のための2段階認証(2要素認証)ツールとして広く使われています。SMSに使う携帯電話番号は契約時に本人確認を行うため、なりすましも難しいとされています。
2段階認証(2要素認証)についてはこちらをご覧ください
「API連携によるSMS認証とは?セキュリティ強化に欠かせない2段階認証を徹底解説」
開封率が高い
SMSは、連絡を取りたい相手の携帯電話に直接メッセージを送ることができます。また、SMSのオプションに加入すれば、タブレットでもメッセージを送受信することが可能です。そのため、チャットアプリなどと違い、スマホを持っていない人にも連絡ができるので、メッセージの到達率はかなり高いといえます。
SMSのデメリットについて
送る文字数によって料金が変わる
SMSは1度に送る文字数によって送信料金が変わります。契約したキャリアやプラン等によって違いはありますが、メッセージの文字分割や詳細料金によって料金が変わりますので、事前に詳細を確認しておきましょう。
SMSの文字数上限や料金についてはこちらをご覧ください
「SMS送信には文字数制限がある?上限や注意点をまとめて解説」
画像や動画が送れない
SMSで送ることができるのはテキストのみで、写真、画像や動画などのファイルは送信できません。添付ファイルを付けてメッセージを送るとエラーになってしまうので注意しましょう。
SMSで画像や動画を送る方法はこちらをご覧ください
「SMSで写真を送る方法や便利なツールの活用方法を紹介」
複数宛先へ一斉にメッセージを送れない
携帯電話やタブレットからSMSを送れるのは1箇所のみ、一度に複数の宛先への送信はできません。また、通信キャリアが迷惑メール対策防止の観点から1日に送れる通数を200件までに制限しています。
SMSの送信方法
SMSを送る際、端末ごとに操作方法に違いがあるので注意が必要です。スマートフォン(AndroidとiPhone)・パソコンと連携してSMSを送る方法について説明をしていきます。
AndroidでのSMS送信方法【個人向け】
AndroidからSMSの送信は、アプリから行います。
1・「電話帳」のアプリをタップ
2・「新規作成」をタップ
3・送信したい相手の電話番号を入力するか、電話帳から送信先を選択
4・本文(メッセージ)の入力
5・入力欄右側の紙飛行機のアイコンをタップして送信
iOS(iPhone)でのSMS送信方法【個人向け】
iOS(iPhone)もAndroidと同様に、SMSの送信はアプリから行います。
1・「メッセージ」のアプリをタップ
2・アプリの画面右上の+鉛筆のアイコン(新規作成)をタップ
3・送信先したい相手の電話番号を入力するか、ボタンをクリックして送信先を選択
4・本文(メッセージ)の入力
5・入力欄右側の↑をタップして送信
スマートフォンと連携してパソコンからSMSを送る方法
SMSはスマートフォンなどの端末から送るものだと思いがちですが、パソコンとスマートフォンを連携させればパソコンからSMSの送受信が可能です。スマートフォンのOSには大きく分けてiOSとAndroidがあり、パソコンはmacOSとWindowsがあります。
iPhoneはmacOSとのみ連携できます。Androidはパソコンのアプリケーションと連携することによって、Windows、macOSどちらでもSMSの送受信に対応しています。ただし、キャリアとSMSが送信できない契約をしている場合は利用できません。
※2023年3月現在、iOSとWindowsの連携は実装されていないようです。
ビジネスで活用するにはSMS送信サービスが便利
携帯電話番号だけでメッセージのやりとりができる使い勝手のいいSMSですが、複数人に同時に送れないという弱点があります。個人間のやりとりではあまり困ることはないでしょうが、ビジネスで使うとなると不便に感じることも。しかし、SMS送信サービスを使えばその課題がなくなります。
SMS送信サービスの便利な機能について
SMS送信サービスとは、顧客にSMSを送信する法人向けのツールです。一度に大量の送信相手にSMSを送れる他、個別でのSMS送信や顧客と双方向のやり取りを行うことなどができ、送信結果を取得することも可能です。ここではSMS送信サービスの便利な機能について解説していきます。
予約送信機能
送信する日時を指定し、メッセージを送ることができます。送信時間に合わせた操作は必要ありません。
個別差込機能
宛先や会員番号など、送信先ごとに個別の情報をメッセージ内に差し込むことができる、1to1マーケティングに有効な機能です。
SMS配信停止機能
販促目的でSMSを送信する場合、その内容や送り先「迷惑メール法」に準拠して送る必要があり、送信先のオプトインが必要です。受信者がメッセージの受け取りを拒否したら、以降のSMS送信を止める必要があります。「配信停止」のリストに対象の携帯電話番号を登録すると自動的にその番号には送信されなくなります。
SMS送信サービスの企業での利用シーン
SMS送信サービスはさまざまなビジネスシーンで利用されています。
入金・決済・手続き期限などのリマインダー
入金や決済、手続き期限などを知らせる際、確実に読んでもらわなければなりません。メールでは埋もれて気付かれない可能性があり、ドメインなどにより届かないこともあります。電話は必ず出てもらえるとは限りませんし、再度連絡するにも手間や時間がかかってしまいます。そんなときでも、SMSであればほぼ確実にユーザーへ到達し、すぐに確認してもらうことができるのです。
従業員への緊急連絡・安否確認
仕事やアルバイト先などでは、プライベートな連絡先を伝えるのに抵抗がある、という人は多くいます。一人一人に電話をかけるわけにはいきませんし、メールはアドレスの変更をされていれば届かないこともあります。SMSで一斉送信をすることができれば、重要な連絡を漏らすことなく、すべての連絡先へ即座に伝えることが可能です。弊社が提供しているSMS送信サービス【SMS HaNa】では、エクセルで管理している宛先リストの取り込みもできるので、緊急連絡先として登録していた電話番号を使って簡単に配信することができます。
必ず確認してほしい内容の内容確認通知
飲食業界などでは、突発的なキャンセルなどを防ぐため、予約時に登録された電話番号へ内容を案内することができます。キャンセルをする場合の誘導や、前日に予約内容の確認事項を連絡するなど、活用法はさまざまです。最近ではECサイトからの「発送通知」や「配達完了通知」などにも利用されています。
セール情報などの販売促進施策
SMS送信サービスは開封率が高いことから、セール情報などの「販売促進」にも多く活用されています。どんなにお得なセールなどを行うとしても、情報がきちんと顧客に届いていなければ、マーケティング効果は見込めません。その点、SMSなら顧客にきちんと情報が届きやすく、Webサイトへの誘導や、来店数アップなどの効果を期待できます。SMSを利用して販売促進活動を行うことで、顧客接点の強化に役立てられます。
※SMSで広告宣伝メールを送信する場合には「特定電子メール法」に基づいた同意(オプトイン)が必要です。
SMS送信サービスについて
SMSは電話番号だけでメッセージのやりとりができる使い勝手のいいサービスではありますが、複数人に同時に送れないという弱点があります。個人間のやりとりではあまり困ることはないでしょうが、ビジネスで使うとなると面倒に感じる人も多いでしょう。しかし、SMS送信サービスを使えばその面倒くささが一気に解消されます。
SMS送信サービスの検討ポイント
SMS送信サービスを利用する際には、サービス提供会社との契約が必要です。では、どのような会社・サービスと契約すればいいのでしょうか。以下のようなポイントを抑えておきましょう。
提供会社が「直収サービス」であるか
SMSを使う理由は「確実に情報を届けるため」です。SMS送信サービスには2種類の送信経路、「国内直収接続」と「国際網接続」があります。
・国内直収接続
NTTドコモやau、ソフトバンク、楽天モバイルの国内携帯キャリアとサービスを直接接続し、送信する方法です。国内のみでの情報伝達のため、高い到達率が期待できます。
・国際網接続
文字通りですが海外の通信回線網を利用して携帯電話番号へメッセージを届けます。国際網接続を利用しているサービスは国内直収接続より比較的安価ですが、メッセージを国内へ送信する際にキャリア独自のフィルタリングや、国際SMSの受信拒否設定をしている時にはメッセージが届かなくなってしまうこともあります。
APIでシステムと連携できるか
SMS送信サービスは、サービス提供会社が用意しているWeb画面にログインし、送信するのが基本的な使いかたですが、Web-APIを提供しているサービスの場合は、今お使いの基幹システムや管理システムと連携し、自動送信を実現する仕組みを構築することもできます。システム連携をお考えの方は、検討しているサービスがWeb-APIに対応しているかどうか確認しましょう。
差し込み箇所や予約送信時間など、運用に合った機能があるか
SMS送信サービスは、ただ送信するだけでなく、「差し込み機能」や「予約送信」など、SMSをより便利に使えるサービスもあります。契約前に「こういう内容を送りたい」「こういった運用にしたい」という要望をサービス提供会社に伝え、自社での運用に合ったサービスを選びましょう。
1通あたりの料金と、月額基本料金もチェック
SMS送信サービスの料金体系の多くは、契約時に「初期費用」がかかり、以降は「月額基本料金」+「送信した通数×送信料金」で設定されています。利用頻度や送信する件数を考えて、契約先を決めましょう。
提供会社のセキュリティは問題ないか
携帯電話番号は、個人情報にも直結する非常にセンシティブな情報です。ゆえに、プライバシーマークやISMSなどを取得している安心して情報を提供できるサービス提供会社を選びましょう。
まとめ
SMSをうまく活用すれば今よりも仕事がスムーズに進みます。弊社が提供するSMS送信サービス「SMS HaNa」は初期費用無料、1通あたり8円~で利用できます。気になる方は是非お問い合わせください。