発注書や見積書など、企業では様々な業務で帳票類がFAXを使って送受信されています。
送信する量が多い業務の場合、手作業で1枚ずつFAXを送る運用では時間がかかってしまいます。そういった業務は、送信作業を自動化するのがオススメです。
FAXの送信を自動化するには、「自社のFAXサーバーで運用する」「クラウドFAXサービスを利用する」という2つの方法があります。
この記事では、自社でFAXサーバーを運用する場合とクラウドFAXサービスを利用する場合、それぞれの特徴やコスト、機能面での比較ポイントを紹介します。
自動FAXを運用する際に確認すること
自動FAXを運用する際には、以下のような条件を確認する必要があります。
FAXの処理速度は利用量に合っているか
自動FAXを導入する理由の最大の目的は、「FAXの業務が滞りなく行える」ことです。そのため、導入するシステムのスペックを確認しておく必要があります。1時間に何回処理を行うか、送信時間の許容範囲は何分かなど、ピーク時を想定して確認しましょう。
誰でも使えるシステムか
自動FAXシステムを導入しても性能だけでなく使いやすさも重要です。利用者にとって使いにくかったり、システムの管理が難ければ業務効率は上がりません。
BCP(事業継続計画)対策は万全か
緊急時にシステムの停止やデータの消失が発生すれば、企業にとって大きな損失となります。そのためデータのバックアップや冗長化、連絡体制の視覚化やマニュアル作成など、障害が発生してもシステムを回復・維持・継続できる状態にしておくことは重要です。
FAXサーバーとクラウドFAXサービスとは
では、FAXサーバーとクラウドFAXサービスには、どのような違いがあるのでしょうか。それぞれ説明してきます。
FAXサーバーとは
FAXサーバーとは、LANでFAXの送受信ができる機器のことです。利用者はLAN経由で送信したいファイル(ワードやエクセル、PDFなど)を転送し、FAXサーバーがその情報を一時的に保存。指定された宛先へ電話回線を通じてFAXを送る仕組みです。
クラウドFAXサービスとは
一方クラウドFAXサービスは、自社でFAXサーバーを保有する必要はなく、インターネットを経由してサービス事業者が提供するFAXサーバーを使って送受信を行うものです。近頃よく耳にする「インターネットFAX」もこれにあたります。
FAXサーバーとクラウドFAXサービスのメリット・デメリット
次に、それぞれのメリット、デメリットについて紹介いたします。
FAXサーバーのメリットとデメリット
FAXサーバーのメリット
一番のメリットは、必要に応じて自由にカスタマイズできる点でしょう。自社の運用に合わせた送信能力やUIなどをすべて決められるので、自社にとっていちばん使いやすいシステムを導入することができます。また、送信も自社の設備から行えるため、セキュリティも心配ありません。
FAXサーバーのデメリット
FAXサーバーはカスタマイズが自由な反面、導入費用は割高になりがちです。大量の電話回線を使用する場合、数百万円~数千万円かかることもよくあります。また、利用が多い時間帯にあわせて仕様を設計することになるので、ピーク時以外はシステムを持て余すことになります。合わせて、BCP対策や運用管理も自社で行うことになるため、その費用もかさみます。
クラウドFAXサービスのメリットとデメリット
クラウドFAXサービスのメリット
サービス提供会社が保有している電話回線を利用し、FAX送信を行うクラウドFAXサービスは、利用量に応じた費用で利用することができるため、スモールスタートに適しています。さらに、機器を使用しないため物理的なスペースも必要ありません。また、運用管理やBCP対策もサービス提供会社が行うため、人的な負担もFAXサーバーに比べて軽くすみます。
クラウドFAXサービスのデメリット
クラウドFAXサービスのデメリットは、サービス上で運用を行うため、システムをサービスに合わせる必要があることです。また、インターネットを経由してFAXの送受信を行うことから、セキュリティのリスクはFAXサーバーでの運用より上がります。しかし、このふたつのデメリットはAPIの活用やサービス提供会社のセキュリティ対策をよく確認しておくことで回避、軽減ができます。
コスト面からみる比較
最後に、FAXサーバーとクラウドFAXサービスそれぞれに発生するコストについて説明していきます。
FAXサーバーの構築にかかるコスト
初期費用
FAXサーバーやソフトウェア、モデム、サーバーのソフトウェアライセンス費用などが初期費用として発生します。大規模なFAXサーバーを構築する場合、初期費用だけで数百万円から数千万円かかることもよくあります。また3年から5年でリプレイスが必要で、そのたびに同程度の費用がかかります。
FAXの送信費用
通信費や電話回線の利用料金です。利用料金は契約している回線数やプランに応じて変わります。
※2024年1月以降「ISNネット」の「ディジタル通信モード」の終了が予定されております。サービス終了後もG3FAX(アナログ回線のFAX)は使えますが、G4FAX(ISDN回線専用のFAX)は使えなくなります。
※NTT東日本より2027年頃を目途として「切替え後のINSネット上のデータ通信」が補完策として提供される予定と発表されています。
保守費用
運用するシステムが安定稼働し続けるために必要な費用です。大きく分けてソフトウェア保守とハードウェア保守、そしてサービス委託の3つに分類され、契約内容にもよりますが年間で初期費用の10~15%ほど発生します。システムは開発したら終わるわけではなく、つねに監視やアップデートが必要です。
クラウドFAXサービスにかかるコスト
初期費用
サービスを開始する前にかかる費用です。FAXサーバーでの運用とは違い機器の購入は必要ありませんが、ライセンスの購入や初期設定、運用に必要な制作物が必要な場合はその設定費用などがかかります。
月額費用
サービス導入後、毎月固定で発生する基本料金です。月額基本料金は、サービス提供会社やプランによって異なります。
FAXの送信費用
FAXサーバーとは違い、多くのクラウドFAXサービスは通信時間ではなく、「FAX1枚ごとの送信・受信量」での従量課金で設定されています。また、プランによって一定量の送受信までは月額基本料金に含まれていて、それ以上は従量制で課金されるというものもあります。自社で送受信するFAXの件数や枚数を確認し、合ったプランを選ぶようにしましょう。
オプション費用
ヘッダー部分への印字や、FAXの誤送信防止など、選んだサービスの基本プランにはない追加機能を利用する場合にかかります。オプション費用は送信料金と同様に、サービス提供会社によって種類や価格が異なるので、事前に確認をしておきましょう。
まとめ
それぞれにメリットデメリットはあるものの、クラウドFAXサービスは導入に手間がかからず、費用を抑えての運用ができるといえます。FAX環境の見直しやリプレイスをお考えの方は、ぜひ一度お問い合わせください。
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