
反響率が頭打ちになっているDM施策において、今、多くの企業が再注目しているのが「パーソナライズDM」です。
単なる一斉通知では効果が得られない時代において、顧客一人ひとりの属性や行動に最適化させた個別のメッセージは、DMの開封率や反応率の改善に大きな力となります。
しかし、「相手の氏名を差し込むだけ」「セグメントごとに文面を変える」程度の工夫でDMをパーソナライズしたつもりになっていないでしょうか?
本コラムでは、パーソナライズDMとは何かをあらためて整理し、主要な4つのDM手法「郵送」「FAX」「メール」「SMS」のそれぞれの特性とパーソナライズ化の適性を比較。最後には、成功に導くポイントをわかりやすく解説します。
パーソナライズDMとは?
パーソナライズDMとは、顧客一人ひとりの属性や行動に合わせて、最適な内容を届けるDMのことを指します。
単に氏名などを差し込むだけのものではなく、購買履歴や地域情報、関心分野などに基づいた内容を構成し、送ることで、「これは自分のための案内だ」と感じてもらう状態を狙います。
なぜパーソナライズが重要なのか?
現代の顧客は、日々大量の情報にさらされています。
ある調査によると、日本の生活者は1日あたり7時間以上もの時間をメディアの接触に費やしており、テレビやネット、SNS、メールなどを通じて膨大な情報に触れ、その中から“必要な情報だけ”を選び取っているのが実情です。
このような情報過多の時代において、画一的な一斉通知では他の情報に埋もれてしまい、以前のように効率的に顧客の関心を引くことが難しくなっています。
そこで求められるのが「自分ごと」として受け取られるメッセージです。
「○○様、前回ご購入いただいた商品の補充がそろそろ必要ではありませんか?」「〇〇エリアで今週限定のイベントが開催されます」といった相手の購入履歴や行動履歴、地域情報などに基づいた案内は、文脈に沿ったパーソナライズとして、通常のDMより開封率や反応率を飛躍的に高められます。
この現象はBtoCだけでなくBtoBの領域においても同様で、最近では顧客ごとの状況・課題に合わせたDMが重要視されていて、一人ひとり、1社1社に合わせた最適な伝え方が成果に直結する時代となっています。
参考
「博報堂DYメディアパートナーズ「メディア定点調査2024」時系列分析より」
「DMメディア実態調査2024」調査報告書 要約版(PDF)」
パーソナライズDMのメリット
パーソナライズDMには、以下のようなメリットがあります。
開封率の向上
宛名や内容が自分宛てであることが明確なDMは、他のDMと比べて優先的に開封されます。
とくにメールなどの媒体では、送信する件名や冒頭文の差し込みによって大きな差が出ます。
反応率の改善
受信した相手の関心事やニーズに合致した情報を届けることで、「読まれて終わり」ではなく「つぎの行動につながる」確率が高まります。
資料請求、購入などのCV(コンバージョン)に直結します。
LTV(顧客生涯価値)の向上
既存顧客との接点を最適化することで、長期的な関係性を築くとアップセルやクロスセルにつながりやすくなり、継続率や購入単価の底上げが期待できます。
DM手法の多様化と選択の難しさ
ひとことで「DM」と言っても、 郵送・FAX・メール・SMSなど、届け方はいくつも存在します。
それぞれの手法はそれぞれ特性やパーソナライズ適性が異なり、商材や対象によって選択肢が変わります。
実用性の高いDMを設計するには、「どの手法で何ができるのか」ということをきちんと把握しておきましょう。
各手法におけるパーソナライズの特性比較
郵送・FAX・メール・SMSにおける、パーソナライズの特性は以下の通りです。
郵送DM
強み:視認性が高い、実物として手元に残る、保管されやすい、記憶に残りやすい
弱み:印刷・発送の手間とコストが大きい。即時性が無い
パーソナライズ例:氏名、地域、購入履歴、イベント情報など
FAXDM
強み:紙ベースで即座に届くスピード感と回覧性の高さ。BtoB領域や業種特化型ビジネスでは今なお現役
弱み:表現の自由度が低く、精緻な差し込みは困難
パーソナライズ例:会社名、担当者名、地域別の案内など
メールDM
強み:最も表現の自由度が高いデジタル手法。分析性に優れ、ABテストや配信タイミングの調整が容易
弱み:到達率に不安があり、埋もれやすい
パーソナライズ例:氏名、行動履歴別のコンテンツやリンク切り替えなど
SMS
強み:到達率と開封率が高く、即時性に優れる。希少性もあり
弱み:文字数制限とデザイン自由度に制約
パーソナライズ例:名前の差し込み、短縮URLでWebページへの誘導
各手法の比較表

成果につながるパーソナライズDMのポイントとは?
パーソナライズDMの効果を最大限に引き出すには、次の4つのポイントを押さえることが重要です。
顧客データを整備・活用できているか
正確で最新の顧客データが基盤になります。氏名や性別といった基本情報に加えて、購買履歴や問い合わせ状況、Web閲覧履歴などの詳細データをもとに、配信内容をカスタマイズすることが効果を高めます。
タイミングや文脈に合った内容か
「誰に」だけでなく「いつ、どんな状況で」も重要な要素です。
季節性やイベント、過去のアクションに応じた情報を届けることで、“今この人に必要な情報”として受け取られやすくなります。
わかりやすく、すぐに行動できる設計か
せっかく内容に関心を持ってもらっても、行動に移しづらい設計では効果が半減します。
短縮URLや二次元バーコード、返信用のWebフォームなどを使って、明確なアクション導線を設計することが大切です。
効果測定と改善ができる仕組みがあるか
PDCAサイクルを回すためには、配信結果やアクセス状況、反応数などのログを可視化し、次の施策へつなげることが重要です。
Webへの誘導を計測したい場合は掲載しているURLのクリックをトラッキングできる媒体を選ようにしましょう。
まとめ
パーソナライズDMは、単純な氏名の差し込みではなく、「誰に・何を・どのように」伝えるかを設計する戦略的なコミュニケーション手法です。
媒体の特徴を理解したうえで、顧客にとって価値のある情報を、適切なタイミングと文脈で届けることが重要です。使用する媒体ごとに強みは異なりますが、共通して求められるのは“相手目線での伝達設計”。
もし、今のDM施策に限界を感じているのであれば、媒体の見直しとあわせて、「どこまで個に寄り添った設計ができているか」を振り返ってみることをお勧めいたします。
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