10年以上前から「レガシーツール」と言われているFAX。しかし、今でもビジネスシーンでは多く利用されています。2019年に行われた調査では日本国内企業の約9割がFAX・複合機を利用しているという結果もでています。FAXサービスを提供する弊社でも、マスコミ業界や不動産業、公共団体などのユーザーが多く、ビジネスシーン上でまだまだ現役の業務ツールといえます。しかし、業務のデジタル化が進んでいる今だからこそ、デジタル化に向けてFAXの廃止をご検討されることもあるのではないでしょうか。
この記事では、FAXの廃止が難しい理由とそれにともなうデメリット、それを踏まえた上での「脱FAX」を段階的に進めていく方法について解説していきます。
FAXの廃止が難しい理由
2021年4月、当時デジタル大臣であった河野太郎元行革相は霞が関における業務上でのFAX利用を原則廃止し電子メールに切り替える方針を発表。1年後の2022年6月、外務省が一部の業務を除きメールへの移行が完了したという報道もあります。
また、東京都では2022年5月末時点では、2019年度比99.1%の削減に成功したという発表も。
こういった報道もありながら、実際にはなかなかなくせない、減らしていけないFAX。やめられない理由には以下の様なものがあります。
大がかりな業務フローの見直しが必要
FAXは原稿をセットし相手先のFAX番号を入力するだけで情報が送れるという手軽さから、電子機器の操作が苦手な人でも簡単に使えるツールです。また、日本独自の「押印文化」も広く普及を後押しする理由と言えます。事務所に届いたFAXに確認後の押印をして回覧されることなどもあるのではないでしょうか。そんなFAXを廃止し、他のツールに移行させるためには大がかりな業務の見直しが必要となります。新たなシステムの導入や業務フローの変更、担当する従業員への教育などが必要です。もちろんお金もかかるお話ですから、検討したにもかかわらず結局現状のままの運用で行く企業も少なくありません。
取引先がFAXを使用している
FAXをやめようとしても、取引先がFAXしか対応していないというケースもあります。急にFAXをやめてしまうと、そのような取引先との商売ができない、過去からの信頼が損なわれてしまうなどのデメリットが発生してしまいます。
FAXが廃止できないと困る点
このような要因からFAXの廃止を諦めてしまっている企業には、デジタル化を進めている企業とくらべて以下のようなデメリットを継続して負うことになります。同じ業務をしていても、デメリットを負ったまま事業を継続するのは大きなハンデです。
確認のためだけに出社しなければならない
コロナ禍により国内で広く普及したテレワークやリモートワーク。働き方改革が唱えられ多くの企業に浸透してきているものの、テレワークやリモートワークができる業務なのにFAXはそのまま継続、となると取引先から届くFAXを確認するためだけの出社、いわゆる「FAX出社」という業務が発生します。せっかく業務の効率化を進めていくためのテレワークが非常に非効率なものになってしまいます。
紙帳票の保管場所を確保する必要がある
取引先から届く発注書などの紙帳票は、内容を確認した後もファイリングして保管しなければならない場合があります。しかし、毎日大量に届く紙のFAXは溜まる一方で物理的なスペースを要します。過去の取引実績を調べる際にも1枚ずつ調べなければならないため作業効率が悪いといえます。
コストがかかる
FAX機や複合機を使用し続けることで、FAX用紙やインク・トナーなどの消耗品の購入や、機器のリース・メンテナンスなど、さまざまなコストが継続的に発生します。
「紙運用のFAX機」からインターネットFAXへ
自社のFAX送信をデジタル化しても、取引先から返信・送信してくるFAXはなかなかなくなりません。しかし、そのFAXを電子化しないことには、真のデジタル化は進みません。前述の通り、送信元の業務環境を変えるのはなかなか難しく、結果FAX業務のペーパーレス化、テレワーク化を後手に回してしまうという事例もよく聞きます。そこで、便利なのが「インターネットFAX」を利用した改善方法です。
インターネットFAXとは
インターネットFAXとは自社の複合機やFAXサーバーを使わず、Web上でFAXの送受信ができるサービスです。サービスはWeb上で提供されるため、サーバーの購入費や回線の契約費用などの初期費用が不要。簡単に自社専用のFAX番号が取得できます。インターネットFAXを導入することで以下の様なメリットが得られます。
FAX確認の出社が不要になる
インターネットFAXはテレワークにも相性がよくここ数年で一気に注目を浴びています。ネット環境が整ってさえいればノートパソコンやスマホからFAX業務が行えるので、FAX確認の為の出社は不要に。柔軟な働き方ができるようになります。
コストが削減できる
インターネットFAXを導入することで、今までのように自社でFAXサーバーやFAX専用機の購入や電話回線の契約、導入後のメンテナンスなどの費用が不要になり、継続的にかかるコストの削減ができます。また他のWebサービス同様に基本料金や利用量に応じた従量料金のみで利用することが可能です。
ペーパーレスの促進につながる
インターネットFAXは受信したFAX紙面をデータとして保存できるので、紙運用がなくなりペーパーレス化の促進につながります。
まとめ
なくしたくてもなくせないFAX業務の見直しをする上で、相手の環境はそのままに部分的に「脱FAX」運用を行うことはそこまで難しくない、ということがお分かりいただけたでしょうか。FAX=紙という概念を捨て、インターネットFAXを活用することで自社の運用を少ない手間で見直すことは可能です。ぜひご検討ください。
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