
日常業務のデジタル化が進むなか、50年以上前から利用されているFAXも依然として多くの企業で今でも利用され続けています。
とくに製造業や卸売業などの業種では、取引先との関係や機器、リテラシーなどの問題でFAXがやめられない場面も多くあります。
しかし、従来のFAX送信は手作業に依存しており、使用にかかる時間や誤送信リスク、機器の管理などといった課題を抱えています。
そこで注目されるのが 自動FAX送信サービス です。
本記事では、FAXの課題を整理し、自動FAX送信サービスの仕組みやメリット、導入時の比較・検討ポイントを詳しく解説します。
とくに「自動FAX送信サービスの比較」や「受発注業務でのFAX送信の自動化」を検討している方にとっては必見の内容です。
FAX送信における課題
FAXは便利な一方、使用する現場では次のような課題を抱えています。
手作業による手間
FAX送信は紙の準備、番号の入力、送信完了までの待機、送信結果の確認といった一連の作業に時間がかかります。
これらは1件あたりの時間は短くても、送信する回数が多くなればなるほど時間がかかってしまいます。
月に数百件〜数千件の注文書や納品書などの帳票類を送信している企業では、専任の担当者をおき、業務にあたっているケースもあります。
誤送信のリスク
FAX番号を手で入力する場合、送信先のFAX番号を打ち間違えるだけで大事故につながります。
機密情報や取引先の情報が第三者に送られる可能性を排除できない状況は、企業にとって大きなリスクになります。
送信結果の管理が煩雑
送信結果はFAX機から出力される結果レポートや画面表示で確認しますが、紙が散逸したり、誰が送信したのか分からなくなったりと管理が煩雑になりがちです。
トラブルの発生時に送信履歴の追跡ができず、社内外の調整に時間がかかるケースもあります。
業務の属人化
FAX送信が特定の担当者に依存していると、その人が不在のときに業務が滞ってしまいます。
とくに卸売業や市場など、納期がタイトな業種では属人化は大きなリスクになります。
紙の使用・保管コスト
FAX送信には帳票の印刷が必要なため、用紙・トナーなどのコストが発生します。
また、送信済みの帳票の控えや送信結果レポートを紙で保管していると、保管スペースを圧迫し、それに比例して管理コストも増えていきます。
また、近年は環境負荷の削減や業務のペーパーレス化推進が企業に求めらいる背景も鑑みると、紙の大量使用はCSRの観点からも課題となります。
自動FAX送信サービスとは?
自動FAX送信サービスとは、システムから直接FAXを送信できるサービスのことです。
紙をプリントしてFAX機にセットする必要がなく、基幹システムや販売管理システムで発行した帳票データを自動的に相手のFAXへ送信できます。
クラウド型サービスであればインターネット環境さえあれば導入可能で、オンプレミス型サービスであれば自社サーバー内で運用することも可能です。
送信結果はシステム上で自動的に記録されるため、ログ管理や追跡も容易です。
自動FAX送信サービスのメリット
自動FAX送信サービスの導入によって、現場には次のような効果が期待できます。
作業工数の削減
送信作業が自動化されることで、担当者がFAX機の前に張り付く必要がなくなります。
大量の帳票も設定でまとめて送信できるため、人的コストを大幅に削減できます。
誤送信防止
送信先は事前にシステムに登録しておくため、番号の打ち間違いによる誤送信が防げます。
送信結果の一元管理
送信日時、宛先、結果が記録されるため、いつでも履歴を確認できます。
取引先からの問い合わせにもスムーズに対応が可能です。
夜間・休日でも自動送信が可能
夜間や休日の時間帯に送信予約を行えば、業務時間中に担当者が送信作業に追われる必要がなくなります。
朝一番で送信結果を確認できるため、担当者はより付加価値の高い業務に時間を割けるようになります。
ペーパーレス化・コスト削減にも貢献
帳票を紙で印刷する必要がなくなるため、用紙代やトナー代、FAX機の保守コストを削減できます。
さらに紙の保管スペースも不要になり、オフィスの省スペース化にもつながります。
自動FAX送信サービスの検討ポイント
導入を検討する際は、以下の点を比較検討することが重要です。
送信可能な件数
月間や同時送信件数の上限を確認し、システムが自社の送信量に対応できるかをチェックしましょう。
クラウドorオンプレ
初期投資を抑えてスピーディに導入したいならクラウド型、セキュリティ要件や既存インフラとの統合を重視するならオンプレ型が適しています。
コスト
初期費用、月額費用、従量課金の有無を比較し、長期的なランニングコストを試算しましょう。
システム連携の柔軟性
基幹システムや販売管理システムと連携できるかは大きなポイントです。
APIやファイル連携の可否、カスタマイズ性を確認しましょう。
管理画面の使いやすさ
送信状況の確認やエラー時の再送信などが直感的に行えるか、UI/UXも重要です。
サポート体制
トラブル発生時の対応スピードやサポート窓口の品質も導入後の安定運用に直結します。
まとめ
自動FAX送信サービスは、FAX業務を効率化し、人的ミスを減らし、コスト削減にも貢献する有力なソリューションです。
受発注業務がFAX依存の企業にとっては、業務改善と内部統制強化の両立を実現できる重要なツールといえます。
導入を検討する際は、自社の送信量、セキュリティ要件、既存システムとの連携可否を考慮し、複数のサービスを比較検討することが成功の鍵となります。
適切なサービスを選定し、現場の負担を軽減することで、より戦略的な業務にリソースを集中できる環境を整えましょう。