自社商品やサービスを宣伝するための方法はいくつかありますが、それぞれに特性があり、メリット・デメリットもあります。商材の特性やターゲットの属性を考えて宣伝方法を選ばないと、せっかくコストをかけても効果が薄れてしまうことに。 ここでは、効果的な宣伝方法の選択について考えてみましょう。
宣伝とは、情報を広く伝えること
手持ちの商品やサービスを人々に使ってもらうためには、まずその商材を知ってもらう必要があります。ですから、商品の特徴や仕様、価格などのほか、「どのように使うとどのようなメリットを得られるか」をしっかり伝えることが大切です。つまり、宣伝とは「その商品を使ってみたいと思ってもらえるよう、情報を伝えること」と考えれば良いでしょう。 そうなると「誰に何を伝えるか」、つまりターゲットと訴求ポイントを絞り込むことと、宣伝の手法や媒体の選択も大切な要素となります。通常は、下記のような手法や媒体を組み合わせた宣伝活動を行いますが、それぞれに特性が異なるため、正しく理解した上で活用するようにしましょう。
ネット広告
ネット広告は、自社の商品紹介サイトにリンクさせた広告を、見込み顧客の集まるウェブサイトに出稿するものです。検索結果画面に表示されるリスティング広告も、この一部に含めていいでしょう。小さなスペースや短い広告テキストでユーザーの興味を引くには工夫が必要です。しかし、自社商品に関連するキーワードや出稿するサイトを絞り込むことができますし、予算を決めて出稿ができること、クリックレートをはじめとするデータが取れるなど、メリットの多い手法です。
自社のウェブサイトの活用(SEO)
自社のウェブサイトを強化し、検索結果画面の上位に表示させ、ユーザーの流入を高めるよう対策することをSEOといいます。しかし、上位に表示させるには、高度な専門性やコンテンツが必要です。もちろん、自社の担当者が学習することでSEOはできますが、そのノウハウは日進月歩なので、必ずしも「現在正しい知識」とは限りません。また、ある程度の時間もかかりますから、専門の業者にアウトソースするのが効率的です。 SEOによって自社のウェブサイトが閲覧されれば、ウェブを基点とした別の施策も展開できます。
ポスティング、新聞の折込広告
チラシをポストに投函する、あるいは新聞に折り込んで配布します。エリア限定で宣伝を行いたいときには重宝するでしょう。各家庭のポストまで確実に届けることができますが、手に取って見てもらえるかどうかはチラシの出来次第です。また、配布そのものは安いのですが、チラシの制作・印刷にコストがかかることが悩ましいところです。 配布先の絞り込みはできませんので、誰もが利用するスーパーや飲食店、地域性の高い不動産のリフォームなどの宣伝には向いていますが、向かない商材もあるので注意が必要です。
ダイレクトメール
はがき、または封書を郵送するダイレクトメールは、製作費や送料などのコストが高いこと、封書の場合は開封されないことが多いことなど、デメリットが多くあります。しかし、多くの情報を伝えたいときには有用なので、クーポンやカタログなどを封入する場合に向いています。 相手の詳しい情報があれば、誕生日にバースデーカード風のはがきを送るという演出もできるでしょう。
メルマガ
相手のメールアドレスがわかっていれば、定期的にメルマガを送るのは継続的なコミュニケーションとして良い方法です。メールアドレスを知っているということは、問い合わせや名刺交換、アンケート・キャンペーンへの応募などで接触があるので、まったくの新規顧客よりも効果が高いはずです。 ただし、メルマガを配信する際は事前の承諾が必要であること、内容や発行頻度によっては、かえって逆効果にもなりかねないという点には注意しましょう。
FAX
顧客リストが大量にあるなら、多くの企業でいまだ活躍している「FAX」 も有効な宣伝手段です。
新商品や新サービスのリリースに合わせて送信すれば、既存顧客へのアップセルにも効果的。低コストで利用できることや、多くの情報を入れ込めること、遅くとも翌日には反応が返ってくるレスポンスの良さなど、多くのメリットを兼ね備えています。
ただ、メールと同様送信相手には事前の承諾が必要。送信先の紙を使うこともありますので頻度にも注意が必要です。
「待ち」と「攻め」によって宣伝手法を使い分けよう
宣伝はその方法ごとに「待ち」と「攻め」という、異なる2つの性質があります。メルマガは狙った相手に積極的に情報を届ける攻めの手法ですし、SEOは自社サイトの露出を高めてユーザーの目にふれやすくし、流入を促す待ちの手法です。 こうした特性を理解した上で複数の手法を組み合わせ、全体像を描いておくことが宣伝活動では大切です。
核となるウェブサイトを作り、SEOを施して露出を高め、ネット広告で誘引する。見込み顧客・既存顧客には、メルマガやFAXなどで情報を届けて問い合わせにつなげる。誰に対してどのようなアプローチをかけるのか、効果を最大化するための戦略を構築し、実施していくことが重要です。
もちろん、どれほど効果が上がるか、正確なラインを予測することは困難です。トライ&エラーを繰り返しつつ、宣伝手法の精度を高めていくことを心掛けましょう。