コロナ禍が明けつつあり、今後の新時代に備えてエリアマーケティングを検討されていらっしゃる方も多いと思います。コロナ禍で増えたデジタル上でのマーケティングとエリアマーケティングを掛け算し、効率的に販促をしていきましょう。
これまでの手法はエリアマーケティングを行い、チラシなどをポスティングすることで、潜在顧客の掘り起こしをしてきました。ポスティングであれば、新聞の折込広告ではリーチしきれない若年層や、新聞を購読していない世帯にもアプローチできることから、ほかの販促ツールと併用しているケースが多いのではないでしょうか。 併用したい販促ツールとしては、DM(ダイレクトメール)がありますが、コストがかかることが難点です。 ここでは、「エリアマーケティング」の手法と活用法に加え、ポスティングよりも効果的なFAXDMなどもご紹介します。
エリアマーケティングとは?
エリアマーケティングとは、地域を指す「エリア」と、リサーチした顧客ニーズに沿って商品や販売方法を決定し、企業などの生産者から消費者への物流プロセスをスムーズにするための活動を指す「マーケティング」を合わせた言葉で、地域の特性に合った販売のしくみづくりのことです。 新規市場はその目新しさだけで集客することができますが、ある程度成熟した市場においては、全国一律の販促活動・営業活動では限界があります。 そこで、エリアマーケティングを行い、地域ごとに異なる需要や住民の意識を踏まえた、きめ細かな施策を立てれば、ターゲット層に直接リーチする効果的な販促を行うことができます。
エリアマーケティングの基本的な手順は、以下のとおりです。
1. ターゲット層をしぼる
提供する商品、またはサービスを「誰に知らせたいか」を考え、ターゲット層を明確にします。 これは、一般小売店などのB to Cか、法人向けサービスなどのB to Bかにもよっても変わってきますので、明確にしておきたい部分です。
2. 商圏を決定する
エリアマーケティングのエリアは、集客できる主要なターゲット層が居住している範囲を指す「商圏」と言い換えられます。住宅街や商店街にある小売店であれば、徒歩や自転車で来店できる範囲が商圏になるでしょう。主要な幹線道路沿いなどに位置しているなら、自動車での来店を視野に入れることで商圏は広がります。また、扱っている商品が日用品なのか、非日用品なのかによっても商圏は変わってきます。
法人向けサービスの場合は、対象となる事業所の数や、従業員数などが商圏を決定するポイントとなります。 商圏をしぼったら、重点地域から順に1次商圏、2次商圏、3次商圏とランク付けして、営業を強化する順位を決めましょう。例えば、子供向けの商品を販売しているならファミリー層の多いエリア、ビジネスパーソンがターゲットならオフィス街が1次商圏となります。
3. 商圏の情報を収集・分析する
商圏の情報を収集・分析し、最適な販促方法を決定します。 市場ボリュームや地域特性を分析することを「商圏分析」と言います。販売品のターゲットによって以下のようなデータを収集します。
<個人向け商品・サービスの場合>
- ・人口、世帯数
- ・住民のタイプ(単身者が多い、共働きが多い、高齢者が多いなど)
- ・地域行事と、それに対する住民の関わり方
- ・「割高でも買い物は近くで済ませたい」「少し遠方でも、安く買い物をしたい」など、住民のお金の使い方や流通に対する考え方
- ・新しく参入してくるものに対する住民の意識
<法人向け商品・サービスの場合>
- ・登記されている法人数
- ・法人企業規模(従業員数、資本金、売上高)
また、自社と競合他社の状況も明確にします。明確にすべき内容としては、以下になります。
- ・商圏における自社のマーケットシェア
- ・商圏における競合のマーケットシェア
- ・競合の数
- ・競合の集客力、消費者の評価
エリアマーケティングで得た情報を使って販促を行う
前述したように、エリアマーケティングを行うと、商圏の特性と自社、および競合他社の現状が見えてきます。これらの情報を踏まえて、より効率的かつ効果的な販促を行いましょう。
例えば、ターゲットがファミリー層なら、ファミリー向けの高層マンションや新興住宅地のほか、幼稚園、保育園の近くなどでの販促を強化するといいでしょう。高価な商材を扱っているなら、比較的お金を自由に使える単身者や富裕層、共働きの若い世帯が住む地域が販促対象になります。 法人向けサービスの場合も、ターゲットとする法人数や業種の多いエリアを中心的に販促していきます。 このようにエリアをしぼれた場合、ポスティングやDM、FAXDMなど、地域やターゲット層を限定できる販促方法が適しています。
チラシなどのポスティング
ポスティングは、ターゲット層に直接アプローチできる販促方法のひとつです。エリアマーケティングを活かして「配布したいエリア」「配布する時期」を最適化してからポスティングすると、ターゲットに対して訴求しやすくなります。より細かくマーケティングしていれば、「配布したくない世帯」を限定することも可能です。
DMやFAXDM
商品やサービスの情報を周知できるDMやFAXDMは、ポスティング以上にピンポイントでターゲット層にアプローチできる販促方法です。エリアマーケティングで得た情報を活用し、ターゲット層に響くクーポンをつけたり、キャンペーンのお知らせを同封したりすれば、効果を最大化することができるでしょう。
特にFAXDMは、DMより安価で見てもらえる可能性が高いため、継続的に情報を送り続けることで信頼関係を構築できる可能性もあります。エリアマーケティングで絞り込んだターゲットがビジネスパーソンなら市場の動き、主婦なら季節のレシピといったように、ターゲットが興味を持ちそうな情報を盛り込みながら定期的に送信してもいいでしょう。 また、FAXDM用企業リストのレンタルサービスなどもあり、FAX番号リストを持っていなくても手軽に始められます。市区町村や郵便番号などで地域を指定することはもちろん、1,200を超える業種区分や売上高・従業員数など企業規模などでも細かく絞り込めるのもFAXDMのメリットと言えるでしょう。
販促効果の確認も忘れずに!
エリアマーケティングは、販促を実施した後の検証が重要です。 特に、複数の販促を同時に行っている場合は、エリアマーケティングによるポスティング、DM、FAXDMと、それぞれの効果検証をしっかり行って、次回以降の販促強化エリアの決定や販促方法の絞り込みに活かしましょう。