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デジタル化と言われつつもまだまだ残るFAX
書いた書類をその場ですぐに送ることができるFAXは、不動産や報道、公的機関など、多くの業界で情報伝達ツールとしてまだまだ活用されています。
業務の電子化・デジタル化・ペーパーレス化が進んでいるなか、FAXに関連する業務も電子化していく必要がありますが、なかなか切り替えが進んでいないのが現状です。
業務効率化や最適化が必要な今、そんなFAXへの対策は非常に重要です。
しかし取引先のニーズ等からFAXの廃止や運用を変えるのは難しい場合も多いでしょう。
そこでFAXを電子化することができれば、FAX運用を残しつつDX、つまりデジタル化が実現できます。
今回はそんなFAX業務を電子化するときによく話題となる「OCR」のメリットやデメリット、そして最近話題の「AI OCR」について解説していきます。
そもそもOCRって?
OCRとは、【Optical Character Recognition】の頭文字を取ったもので、紙に印刷された文字を電子データに変換する技術です。
印刷された文字などをカメラやスキャナといった光学的な手段でデータとして取り込み、コンピューターが処理できるテキストなどのデータに変換する技術・装置のことを指します。
発祥の歴史は意外にも古く、1929年アメリカにて、数字とアルファベットを読み取るOCRがそれぞれ開発され特許が出願されたのが、世に初めて出現した時期と言われております。
我が国では、1968年7月。東芝が国産OCRである「TR-3」と「TR-4」郵便区分機とよばれるものを開発・製品化されたのが最初と言われています。
1990年代以降OCR端末の小型化が加速し、2010年代にはスマートフォンやタブレットと連動する小型の端末や、撮影した画像をそのまま読み取るアプリケーションなども登場してきました。
そして現在、インターネットの高速化やクラウドサービスの普及により、パソコンからオンラインで利用できるサービスも登場。中小企業や個人でも利用しやすい環境が整ってきています。
OCRのメリット
OCRを活用することで、業務効率化などのメリットがあります。
具体的なメリットを確認して、自分の業務と対応していないかぜひ見てみましょう。
データ入力業務の効率アップ
アンケート用紙や注文書、見積依頼書など、さまざまな書類を手作業で入力し、データ化するには、多くの人手と時間を必要とします。OCRを使えば、一定のクオリティを保った上で、自動化できます。
書類の保管スペースができ、閲覧や検索が簡単に
OCRで読み取った書類をデータ化しておくことで、保管スペースが必要なくなります。
また、データ化することによりファイリングの必要がなくなり、閲覧や検索も容易になります。
※注文書や発注書の文書の電子保管は、電子帳簿保存法に準拠した処理が必要です。
OCRのデメリット
「では、すべてOCRで電子化すればいいじゃないか」思うかもしれませんが、OCRにも弱点、デメリットはあります。
このような理由でOCRを利用したいけど、導入に踏み切れない企業も多いのではないでしょうか。
導入費用は安くない
OCRの導入には、現在まだまだ安いとは言えない費用がかかります。ゆえに、ある程度以上の業務量、処理量がないと逆にコストが高くなるケースもあります。
100%の読み取り精度は持っていない
高価なOCRを導入したとしても、文字の認識率は100%にはなりません。印刷時の状態や解像度等、さまざまな条件によって同じフォント・同じ文字の大きさでも違いが発生するため、誤認識は必ず出てきます。精度を上げる為、文字のゆがみやかすれを補正する下準備と、最終的に確認する人員は必要です。
手書き文字の読み取り精度は低い
OCRは読み取った画像を登録している文字パターンから検索する仕組みです。そのため、書いた人のクセが大きく出る「手書き文字」にOCRは弱く、機械印字の書類と比べると読み取り精度が大幅に落ちてしまいます。
OCRの弱点をAIで克服した「AI OCR」
上記のデメリットを呼んで「自分の業務のFAXは手書きだから導入は難しそう」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、現在はAIとOCRを組み合わせた「AI OCR」が注目されています。
通常のOCRでは難しい特徴的な筆跡の手書き文字でも、AIに学習させることで読み取り精度が大幅に向上するのです。
ここからは、OCRの導入を見送っていた企業にも導入が進んでいる「AI OCR」について解説します。
「学習」によって精度の向上が見込める
AI OCRは、読み取ったデータが「何である」のかを、AIが人間の脳のようにシミュレーションし、判定するOCRです。
AIを使うため、いままでのOCRとは違い、結果を学習していきます。そのため、使えば使うほど読み取り精度を高めていくことができます。
そのため、最初は読めなかった手書き文字も、読み取りと学習を繰り返すことにより、修正作業を減らしていくことにつながります。
ディープラーニングにより読み取り精度を上げていける
AI OCRは、AIが自動的に深層学習(ディープラーニング)したパターンから、読み取ったデータが「何であるか」を人間の脳のようにシミュレーションして判断します。
従来型のOCRは、文字は文字単位で認識するため、例えば「ロ(ろ)」を読む場合、1文字では「ロ(ろ)」なのか「口(くち)」なのかの判別は困難です。AI OCRは前後の文字の関連性まで認識します。ロが「ロボット」と書かれていればAIが「口(くち)」ではないと判断し、「ロ(ろ)」として出力されます。
クラウド環境で利用できる
AI OCRの多くは多くがクラウド環境でサービスを提供しているため、比較的安い初期費用で利用が始められます。利用料金についても基本料金+従量制のサービスが大半で、「必要な量を、必要なだけ」といった使い方にも対応できます。
AI OCRを活用したDX活用シーン
サービス申込書のFAX受信(Webサービス)
お客様からFAXで送信された申込書。書かれてある会社名や所在地、担当者名などの情報をAI OCRで読み取り、自動化。対応時間が大幅に減らせます。
アンケート用紙の読み取り(調査会社)
アンケートや市場調査の用紙に書かれた手書きの文言も、AI OCRを使えば読み取ることができます。入力、確認にそれぞれかかっていた人員が、確認する人だけで済むようになります。
既存顧客向けFAX注文用紙(通信販売)
あらかじめ印字してあるカタログ番号と顧客番号を読み込んで、チェックボックスと商品の数量のみで注文を判定。目視での作業を撤廃し、FAX注文が自動化できます。読み取る文字を数字、アルファベットに限定すれば、確認作業を0にまで減らせます。
AI OCRは人件費、人的ミスの対策に最適
上記のようにAI OCRを活用して手入力を減らすことで、それに伴う人件費の削減や人的ミスの有効な対策にもなります。
もちろん精度は100%ではないため完全に人の手を離れることは難しいですが、仮に入力業務・チェック業務だったものがチェック業務のみになった場合でも大きな効果が期待できるでしょう。
AI OCR「MOVFAX AI」はFAX受信に特化したサービスです
「MOVFAX AI」はFAX受信からテキスト化までを自動化できる、FAXに特化したAI OCRサービスです。 業務のDX化において障害となりがちな、注文書や請求書といった「帳票FAX」のペーパーレス化、自動化に役立ちます。「MOVFAX AI」の特長は以下のとおりです。
高い識字率を誇る「Tegaki」を採用
「MOVFAX AI」は、Cogent Lab.社の「Tegaki」を読み取りエンジンとして採用しており、99.25%という高い識字率で使うことができます。(※)。
※読み取り内容や環境により読み取り率は変わります。
FAXのペーパーレス化からテキスト化までをすべて自動化
通常のOCRサービスでFAXを取り込むためには、受信後画像ファイルをOCRへ流し込む必要があります。しかし「MOVFAX AI」では、インターネットFAX「MOVFAX」と連携することにより、受信したFAXを自動的にAIOCRへ流し込むことができます。これによりFAX受注の入力業務に関する作業の簡略化が可能です。
スモールスタートが容易
通常のFAX OCRは、受信環境やOCR機器など、導入に高価な費用がかかります。しかし「MOVFAX AI」は、クラウドでFAX OCR環境を提供しているため、初期費用はわずか5万円(税別)。月額基本料金+読み取り数課金で利用できるため、スモールスタートにピッタリ。一部業務を切り出して効果を検証する、という使い方が可能です。
「手作業でやるもの」だと思いがちなFAX業務もデジタル化!
いかがだったでしょうか。OCRのイメージは変わりましたか? また、「手作業でやるもの」を思われがちなFAX業務も、インターネットFAXとAI OCRを組み合わせて使えば、デジタル化が可能になります。当社では紙業務のペーパーレス化を、「MOVFAX AI」を中心に提案しております。「ウチはこのように行っているが可能?」という疑問や「そもそもどうしていいのかわからない」というお悩みも、業務のヒアリングから行い最適な解決方法を提案いたします。皆様の業務の効率化やデジタル化に、ぜひ当社をご活用ください。