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既存顧客へのマーケティングが売上を支える!
新規顧客の開拓とともに、営業の重要課題のひとつである既存顧客へのアプローチ。実際は、すでに売上が見込めるため、新規開拓と比較して力を入れていない企業もあるかもしれません。ですが、既存顧客へのマーケティングをきちんと行えば、新規顧客を獲得する以上の売上が期待できます。 ここでは、既存顧客へのマーケティングの必要性について、改めて考えてみましょう。
事業を支えてくれる既存顧客の存在
業種にもよりますが、営業の現場では概して新規顧客の獲得が重要視されがちです。確かに、顧客の分母を増やすことは、将来的な売上をアップさせるために大切なことです。
しかし、既存顧客へのアプローチも新規獲得以上に重要です。それは企業にとって、高い利益をもたらしてくれるからです。既存顧客を重視するメリットをご紹介しましょう。
既存顧客の重要性を示す2つの法則
マーケティングにおいてよく知られている法則として、「1:5の法則」と「パレートの法則」というものがあります。
1:5の法則は、新規顧客の獲得には、既存顧客の維持の5倍ものコストがかかるというものです。つまり、コストをかけずに売上を伸ばすには、既存顧客へのアプローチが効率的だとわかります。
パレートの法則は、売上全体の80%が、顧客全体の20%によってもたらされるというものです。実際、新規顧客は仮に購入してくれたとしても、そのまま継続購入してくれるとは限りません。反対に、既存顧客は、中長期的に商品・サービスを購入し続ける「優良顧客」へと成長してくれる可能性を秘めています。
つまり、より効率良く利益を生み出すためには、新規以上に既存顧客へのアプローチが大切なのです。
既存顧客に期待できる可能性とは?
既存顧客にアプローチすることで、どのように営業貢献できるのでしょうか。
既存顧客は、すでに、あなたの会社の商品やサービスを使っているので、その長所も短所もわかっています。ですから、「何が足りないか」を明確にサポートできる手段があれば、そこにクロスセルやアップセルのチャンスが眠っています。
また、既存顧客企業の中には、営業担当がまだ接触できていない、より重要な人物がいる可能性もあります。そこで、そうした人物への接点の掘り起こしや、さらには同じ会社の他部署への展開という広がりも考えられます。このように考えると、既存顧客にはまだまだ開拓する余地が十分にあるのです。
既存顧客へのマーケティングでは何をすべきか
さて、このような可能性を秘めた既存顧客に対して、具体的にどのようなマーケティングをすれば良いでしょうか。ここでは、最適なマーケティングを実施するための、3つのポイントについて、ご紹介します。
1 顧客の特性と傾向を把握する
まずは顧客の特性、そして行動の傾向を見つけることが重要です。顧客が何らかの行動を起こすときは、行動を起こすだけの理由があります。時期的なもの、社内的な事情、競合他社の動きや業界の状況など、その理由はさまざまですが、顧客は何らかの変化によってアクションを起こします。そのタイミングに一定の法則性を見つけ出せれば、タイミングを逃さずにアプローチすることができるでしょう。
そのためにも、日頃から顧客とのコミュニケーションを欠かさずに、さまざまな角度から情報を収集し、分析しておくことです。
2 顧客情報を分析し、施策を立てる
顧客とコミュニケーションをとることで、社内の動きなどの情報を得られるのは、既存顧客ならではのポイントです。そこで得られた情報を分析し、購入した商品と併用できる商品をクロスセルでプッシュしたり、より洗練された新商品をすすめたりするアプローチ手段を見つけましょう。
また、自社商品をどのように使っているのかという情報があれば、情報を得た会社だけでなく、ほかの既存顧客へも、どのような施策を打つべきかを導き出すことができます。
3 顧客の声をすくい上げる
傾向の把握と情報の分析に加えて大切なのが、不満点など、顧客の声に耳を傾けることです。
あなたの顧客が求めているのは、新商品やそのほかの商品の提案だけではありません。その商品によって何が改善され、どんな利益が得られるのかなど、有効な活用法もあります。
そうした要求に応えるためにも不満点などがないか、既存顧客の声をすくい上げ、その要求を満たすことが大切です。そうした現状改善を前提で提案すれば、単なる売り込みではなく、顧客ニーズをより高いレベルで満たすことができるでしょう。
ツールを使い分けてきめ細かいアプローチを
ご紹介したポイントを見てわかるように、既存顧客へのマーケティングでは、顧客情報をいかに取得し活用するかが、とても大きな意味を持っています。そのためにはまず、営業チーム内での顧客情報の共有や情報交換がスムーズにできる環境が必要で、CRMなどの顧客関係管理ツールの導入も検討するべきでしょう。
また、アプローチ方法についても、営業の個人任せにするよりも、より効率的なプロセスを構築し、フォーマット化しておくと、きめ細かくもれのない行動が可能になります。電話営業や直接訪問だけでなく、詳しい商品説明などはFAXDMを活用するのも有用です。
入手した情報を基に適切な施策を立てれば、より洗練された営業活動へとつなげていくことができるでしょう。