白と黒の2色だけで商材の魅力を伝えるFAXDMは、その紙面デザインがレスポンスに大きく影響します。しかし、「これなら反響があるだろう」と自信満々のデザインで配信したのに、いつもより反応が鈍かったというケースもあります。ここでは、ひと目で反応したくなるFAXDMのデザインについて、考えてみます。
紙面デザインにはパターンがある
FAXDMでは、A4またはB4サイズのプリントアウトを原稿として読み込んで配信します。モノクロの原稿であれば何でも配信できますので、ワープロソフトやイラスト作成ソフトなどで作ったものを出力すれば、それで完了です。
しかし、あまりに突飛なデザインの場合、インパクトは出せるかもしれませんが、必ずしも反響につながるとは限りません。FAXDMの目的は、見込み顧客からの反応を得ることですから、「レスポンスがとれるデザイン」が求められます。
そうした経験則から生まれたものが、「チラシ型デザイン」と「レター型デザイン」です。このいずれかをベースにして細部に手を入れ、原稿を作り上げていくのです。
インパクトがあってわかりやすい「チラシ型デザイン」
チラシ型デザインの特徴は、パッと見たときにインパクトがあり、要点がわかりやすく目に入ることです。派手さがあるので人目を惹きやすく、伝えたい要点を素早くくみ取ることができます。
反面、広告らしさが強く表れますので、捨てられてしまう危険性もあります。そこで、このタイプを使うときには、相手にいかにメリットがあるかという点を明確に、そして強く訴求することが肝要となります。
チラシ型デザインは、比較的安価な商材や、すぐに購買に結び付けたいとき、飲食店の集客などに向いているといえるでしょう。
じっくり読ませ、納得させる「レター型デザイン」
レター型デザインはテキスト主体で、ストーリー性を高めていることが特徴です。まさにビジネスレターのような体裁ですから、チラシ型のような広告色がなく、安易に捨てられることが少ない傾向にあります。また、テキストが読まれやすいという特性もありますので、しっかりストーリーを構築し、相手がメリットに納得すれば、十分な反応を得ることができます。
レター型デザインは、高額な商品やセミナー・講演会への集客に向いていて、FAXDMだけでクローズする案件よりも、問い合わせの獲得を目的とした場合に適しています。
やってはいけないNG項目とは?
紙面を作るときに、やってはいけないNGパターンも存在します。もちろん「絶対ダメ!」というわけではありませんが、以下のような項目は避けたほうが無難でしょう。
写真を使ったファインモード仕様
より精細に印字できるファインモードは、多くの配信業者で使われています。濃淡のあるイラストや写真を送る際にはきれいに仕上がることが利点ですが、データ量が大きいため送信時間も長くなりがちです。つまり、相手先のFAX機を出力中、占有することになりますので、最悪の場合、クレームの対象となってしまいます。ですから、ファインモードを使わなくてもきれいに見える原稿を作るよう心掛けましょう。
塗りつぶし、白抜きの多用
塗りつぶしや白抜き文字を多用した場合、いずれもトナーの消費量が多くなります。こちらも、送信先により多くの負荷をかけるデザインになりますから、できるだけ避けるべきです。目立たせるために、キャッチコピーに白抜き文字を使いたくなりますが、実は、普通の白地状態で文字を大きくしたほうが、反応率が上がることもあります。見た目だけにこだわりすぎないように注意しましょう。
文字が小さすぎる
FAXDMの場合、A4紙面に情報をたくさん詰め込もうと、文字を小さくしすぎてしまう失敗があります。あまりに小さいと文字がつぶれて、「読む以前に判読不能」ということになってしまいますので、注意しましょう。
こうしたミスを避けるためには、原稿を作ったらまず自社に送信して、出力した紙面を実際に目で確かめてください。FAX機の印字精度はまちまちではありますが、目安にはなります。
レスポンスを呼ぶ紙面の作り方は?
では、レスポンスを得られる紙面デザインとはどのようなものなのでしょうか。これも正解といえる答えはありませんが、次のような方法が紙面づくりのポイントとなります。
イラストや似顔絵で親近感を持たせる
線画を使ったイラスト、担当者の顔写真から作った似顔絵などは、親近感を抱かせるには良い方法です。線画であればノーマルモードでもきれいに出力できますから、送信先への負荷を抑えられ、写真を送る場合のようなリスクはありません。
キャッチコピーの書体や装飾、配置などに注意する
十分に練り上げたコピーワークが必要なことはもちろんですが、それをどれほどのボリュームでどこに配置し、どのように見せるかという点は、デザイン上とても重要です。キャッチコピーは紙面の最上部に置かれることが常ですが、書体や大きさ、装飾の有無によって、見た目の印象は大きく変わります。伝えたい内容が十分伝わる紙面を心掛けてください。
コピーの大小や強弱のバランスをつける
特にチラシ型デザインで重要なのが、コピーの大小や強弱のバランスをつけることです。慣れないうちは伝えたいことが多すぎて絞り込めず、どのコピーも大きくしたり強調したりしてしまって、結局メリハリのない紙面になってしまうことがあります。
しかし、キャッチコピーやリードなどで相手の興味をしっかりつかめれば、「もっと詳しく知りたい」と思わせることができます。そうなれば、小さな文字のボディコピーもしっかり読んでもらえるでしょう。
不安を感じたら、プロの手を借りてもOK
FAXDMのデザインは、その内容となるコピーも含めて、回を重ねるごとに改善しながら完成させていくものです。しかし、レター型ならまだしも、チラシ型のデザインをゼロから作るとなると、デザイン経験のない人には難しいかもしれません。
そんなときのために、日本テレネットではプロのデザイナーによる原稿作成サービスをご用意しています。紙面全体のレイアウトデザインはもちろん、線画による商品イラストや似顔絵の描き起こしも対応可能ですので、ぜひご活用ください。オリジナリティあふれる紙面で、さらなるレスポンスを目指しましょう。