政府主導で推進されている「働き方改革」。その浸透とともに、普及しつつあるのがインサイドセールスです。今の時代にマッチした特徴を持ち、人的資源を有効活用できる形態として、多くの企業が注目しています。その内容と、成果を高めるためのテクニックについて考えてみましょう。
広がりつつあるインサイドセールス
インサイドセールスは、「内勤営業」とも呼ばれる営業の手法です。従来、営業といえば顧客先企業を訪問する「外勤営業」、つまりフィールドセールスが主流でしたが、その「訪問」というアクションを取り払い、通常の営業活動を自社内あるいは在宅で行うという点が大きな特徴です。
見込み顧客に電話やメールでコンタクトしたら、ウェブ会議システムを使って商談。資料はデジタルデータでやりとりし、最終的にクロージングへと導いていきます。つまり、外回りをすることなく、従来のフローに沿って営業業務を進めていく、これがインサイドセールスなのです。
もちろん、すべてをインサイドだけで完結させず、フィールドセールスとの分業制をとることもできます。この場合、商談のアポ取りまでをインサイド側が受け持ち、商談以降のプロセスはフィールド側に渡します。導入しやすい形ではありますが、この方法ではインサイドセールスが持つメリットを最大化することはできません。
インサイドセールス導入のメリット
インサイドセールスには、従来のフィールドセールスにはないメリットがあります。ここでは、その一例を解説していきましょう。
時間を有効活用できる
時間は誰にとっても平等で、決して増やすことができません。ですから、作業効率を高めるためには、時間あたりの作業量をいかに増やせるかがポイントです。
インサイドセールスでは「訪問」がないので、移動時間がゼロになります。訪問となると電車やタクシー、遠隔地であれば飛行機などを使うところですが、これらの移動時間がなくなるのです。当然、交通費というコストもかかりませんし、面倒な出張費の精算作業からも解放されます。
顧客訪問は思った以上に時間を取られるものです。13時に会社を出て客先に向かい、15時に帰ってこられたものの、実際に担当者と面談したのは正味30分ほど。このような例は頻繁にあるでしょう。インサイドセールスなら、無駄に消費しているこれらの時間を、ほかの業務に振り分けることができます。
営業チーム内で情報やノウハウを共有できる
インサイドセールスでは、SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)をはじめとする営業支援ツールを活用します。そのため、営業チーム内でそれぞれの商談の進捗や顧客情報が共有され、全員が常に最新の情報にふれることができます。
また、顧客との商談はウェブ会議で行いますから、ほかのメンバーがその様子を見て商談スタイルの参考にすることができます。これは、新人の育成やチーム全体の営業力の底上げにも有効な方法です。フィールドセールスでは、こうしたことはできません。
インサイドセールスで有効なツールは?
インサイドセールスといっても、営業フローそのものはフィールドセールスと大差ありません。しかし、インサイドセールスに必要不可欠なツールや便利なツールというものはあります。そのうちのいくつかをご紹介しましょう。
各種の営業支援ツールは不可欠
先程少しふれた、SFAやCRMなどの営業支援ツールは不可欠です。これらのツールでは、顧客情報と営業職の行動、商談の進捗状況などを管理し、数値で把握することができます。メンバー間での最新情報の共有だけでなく、情報をさまざまな切り口で抽出することもできますので、それを基に分析をし、現状の評価や今後の行動の構築などに役立てることができます。
インサイドセールスとFAX DMを組み合わせる
営業効率の向上は、インサイドセールスの目的のひとつです。当然ながら、初期の電話営業の段階でも、無駄な時間や労力は省きたいところです。しかし、先方の担当者が不在だったり、「今は忙しいから後にしてくれ」と断られたりというのは、特に中小企業や店舗などではよくあることです。そこでまず、「◯◯についてご案内したいので、FAXを送らせてください」と伝えるのです。
たとえ多忙な時間帯でも、時間を取られるわけではありません。先方も、「FAXならいいだろう」とOKしてくれることが多いでしょう。その際、再度電話するには何時頃が良いかを聞いておけば、FAX DMを送った後に時間を見て電話を入れれば、すぐに詳しい話を始めることができます。
弊社のFAX送信サービス「エルネットサプリ」では、宛先リストの簡単取込みや送信日時指定などが簡単に行えます。うまく活用することで、インサイドセールスの初期段階でさらなる効率化を図ることができるでしょう。
インサイドセールスは新時代の営業スタイル
インサイドセールスには、人と時間という貴重なリソースを有効活用できるという大きなメリットがあります。少子化による人手不足がまだまだ続く日本では、新時代の営業スタイルとして、さらにインサイドセールスの普及が進むものと思われます。
もちろん、従来どおりの営業形態から、一気に変更することは難しいでしょう。ですが、新しいスタイルをうまく活用できてこそ、これからの時代を乗り切ることができるのかもしれません。