
「SMSってお客さんの迷惑にならない?」法人向けショートメッセージサービス(SMS)の活用を提案すると、よくこんな質問 を受けます。
確かに、見知らぬ番号からのSMSは警戒してしまうもの。
一方的なプロモーションばかり送られてきては、迷惑だと感じてしまうのも無理はありません。
また、最近では「迷惑SMS」「詐欺SMS」のニュースがよく流れてくるようになり、導入に踏み切れないというお悩みもよく聞きます。
しかし、SMSはお客様とのコミュニケーションツールとしては非常に優秀です。このコラムでは、お客様に「必要とされる」「喜ばれる」SMSの活用方法について解説します。
お客様にとって「必要とされる」「喜ばれる」SMSとは?
迷惑SMSと喜ばれるSMSの違いは、「お客様にとって価値があるかどうか」「お客様がそれを求めているかどうか」に尽きます。
多くの人が不要だと感じるSMS、いわゆる「迷惑SMS」は、多くの場合無作為に送られる一方的な広告メッセージです。
対して、お客様が「必要とする」SMSとは、以下のような特長があります。
【参考】総務省迷惑SMS動向(PDF)
お客様自身がその情報に関心を持っている
購入した商品の発送通知、予約のリマインド、問い合わせの進捗状況など。
お客様にとって緊急性や重要性が高い
災害時の安否確認、システム障害のお知らせ、銀行の不正利用アラートなど。
パーソナライズされ、特別感がある
誕生日クーポン、特定の興味に合わせた限定セール、再入荷通知など。
つまり、お客様の「知りたい」「助かる」「お得になる」というニーズに合致しているかどうかが、必要なSMSか、迷惑SMSかの分かれ目になります。
お客様が「必要な」SMS活用事例
では、具体的にお客様に必要とされるSMSとは、どのようなものでしょうか?
いくつかの事例をご紹介します。
事例1:もう「まだ来ないの?」とは言わせない!配送状況のリアルタイム通知
「注文した商品、まだ届かないけど大丈夫かな?」
お客様は、購入した商品がいつ届くのかを気にしています。ECサイトなどでは、メールで発送通知を送るのが一般的ですが、大量のメールに埋もれて見落とされがちです。
あるEC事業者では、商品が発送された時、配送状況が更新された時、そして配達完了時にSMSで通知を送信するようにしました。すると、お客様からの「まだ届きませんか?」という問い合わせが激減。
さらに、顧客満足度調査では、「きめ細やかな対応」という項目で評価が大幅にアップしました。
お客様は、自身の荷物の状況をリアルタイムで知ることができ、安心感と信頼感を得られるのです。
事例2:忘れがちな「あの予約」を確実にリマインド!
美容室や病院、イベントなど、お客様からの予約を受け付けて運用している企業・サービスにとって、無断キャンセルは大きな損失になります。
それを防止するための電話によるリマインドは、繋がらなかったり、折り返しを受ける必要があったりと、担当者の負担になります。
あるクリニックでは、予約日の前日にSMSで自動リマインドを送信するようにしました。
その結果、無断キャンセルが大幅に減少。
患者さんからも「SMSで通知してくれて助かる」という声が寄せられ、来院率向上と同時に患者満足度向上に貢献しています。
来院する患者は、うっかり忘れを防ぐだけでなく、予約を気にかけてくれることに対して「親切な病院だ」といういいイメージを持ってくれます。
事例3:特別なあなたへ!「限定クーポン」で顧客エンゲージメントを強化
「お客様が今、何を求めているか」を把握し、それに応えるSMSは、優秀なマーケティングツールになります。
あるアパレルショップでは、顧客の過去の購入履歴に基づき、興味を持ちそうな新着アイテムの入荷案内や、誕生月に合わせた限定クーポンをSMSで配信。
その結果、クーポンの利用率がメールの2倍、SMSからサイトへの流入数も大幅に増加しました。お客様は、自分だけへの特別なメッセージを受け取ったと感じ、愛着を深めていくのです。
「迷惑」を「感謝」に変えるSMS活用で守ること
お客様にとって役に立つSMSになるには、いくつかの決まり事を守る必要があります。
オプトイン(許諾)は必須
SMSの送信は、特定電子メール法(特定電子メールの送信の適正化等に関する法律)に基づいて規制されています。
この法律は、広告宣伝メールの無許可送信を規制し、受信者の同意(オプトイン)を得ずに送信することが禁止されていますので、SMSの送信の前にお客様から同意を得てから実施しましょう。
無許可での送信は迷惑SMSと変わりません。
お客様にとって価値ある情報だけを提供する
こちらもメールと同じですが、一方的な宣伝はお客様からの信頼を損ねてしまいます。
ただの売り込みではなく、お客様にとって役立つ情報やお得な情報に絞って送信するようにしましょう。
タイミングと頻度を考慮する
お客様に見てもらえるSMSを昼夜関係なく送ってしまうと、ただの迷惑SMSになってしまいます。
お客様が迷惑にならない時間帯に、適切な頻度で送信するようにしましょう。
パーソナライズを意識する
お客様の名前や購入履歴に基づいた個別メッセージを心がけましょう。
SMS送信サービスの「差し込み機能」や「テンプレート機能」を活用し、お客様それぞれにマッチした情報を届けましょう。
送信元を明確にする(発信者番号設定)
せっかくお客様にとって有益な情報を送っても、誰からのメッセージなのかがわからないと警戒して見てもらえません。自社のWebサイトに「SMSの通知について」のページを作成し、そこに発信者番号を明記しておく、メッセージの冒頭に「〇〇です」と書くなどの対応をし、お客様自身が送信元を確認できるようにしておきましょう。
SMS送信サービスの契約時に、発信者番号を自社の電話番号にしておくことをおすすめします。
ビジネスをSMSで加速させよう
「SMSは迷惑」という誤解を払拭し、お客様から「必要とされる」「喜ばれる」SMSへと変えると、単なる連絡手段から、優秀なマーケティングツールに進化します。
あなたのビジネスでも、お客様に「ありがとう」と感謝されるSMSを始めてみませんか?