
FAXによるアプローチは、今も多くの業界で活用されている有力な手段のひとつです。
しかしFAXは原則白黒でしか表現できないという制約があり、FAXで送信する原稿(FAX原稿)は、限られた表現の中で商材の魅力を伝える工夫が必要です。
本記事では、BtoB向けのFAX送信サービスを提供者の視点から、実際に成果につながりやすいFAX原稿のデザインやポイント、ありがちな失敗例を紹介します。
デザインの基本パターンを知る
FAX原稿のデザインは、大きく分けて「チラシ型」と「レター型」の2種類です。
どちらのデザインを採用するかは、送る目的や訴求したい商材に応じた使い分けが必要です。
パッと目を引く「チラシ型デザイン」
「チラシ型デザイン」は、見た目のインパクトと視認性を重視したレイアウトです。
タイトルやキャッチコピーを大きく配置し、ひと目で要点が伝わる構成にします。
とくに低価格の商材や短期間で成果を出したいキャンペーンなどに有効で、飲食店や不動産、サービス業などでよく使われています。
ただし、あまり広告色が強すぎる見た目になると読み飛ばされるリスクもあるため、相手にとってのメリットを端的かつ明確に打ち出すことが成功のカギです。
じっくり読ませる「レター型デザイン」
一方「レター型デザイン」は、チラシ型デザインと違い。文章を中心にし、ストーリー性をもたせた構成で作成したレイアウトになります。
FAXでありながら“手紙感覚”で受け止められるため、読み捨てられにくく、比較的高額な商材やセミナーなど、相手との信頼構築が必要な内容に向いています。
キャッチコピーや本文などの論理構成を工夫することで、読み手側が納得感を持って問い合わせへと進みやすくなります。
避けたいNGデザイン例
いくら魅力的な商品でも、FAXの効果を妨げる要素を入れてしまうと、無駄になってしまいます。
とくに以下のような点には注意が必要です。
写真を多用
FAXは白黒印刷のため、写真は印刷時につぶれてしまい、思った以上に情報が伝わりにくくなることがあります。
特に、明暗の差が少ないコントラストが弱い画像は、FAXでは白く飛んだり黒くつぶれたりして、内容が伝わりにくくなります。
たとえば、薄いグレーの背景にやや濃いグレーの図や、白っぽい背景の中で白い服を着た人物などは、印刷後に見えにくくなる傾向があります。
紙面全体の伝達力を高める視点で、写真やビジュアル要素を使うかどうかを判断しましょう。
塗りつぶし・白抜き文字の多用
黒ベタの背景+白抜き文字を多用すると、逆に読みづらくなったりするだけでなく、印刷する際トナーの消費が増えます。
そのため、送信先から「FAXを送ることをやめてほしい」といったクレームを受ける可能性が高まってしまいます。
文字の装飾は最小限に抑え、読みやすさを重視したデザインを考えましょう。
文字サイズが小さすぎる
「レター型デザイン」を採用する際にはとくに気を付けたいことですが、A4サイズの紙面に情報を詰め込みすぎると、文字が極端に小さくなり、読み手にとってストレスになるだけでなく、FAX機によっては文字がつぶれて判読できなくなる恐れもあります。
とくに数字や記号などの細かい情報が小さすぎると、読み手に見落とされやすいため注意が必要です。
また、フォントの種類によっても読みやすさに差が出ます。
文字が細いフォントや装飾が強いフォントは、FAXで送ると印字の際つぶれてしまうことがあり、内容が正しく伝わらなくなる可能性があります。
文字のサイズだけでなく、フォント選びにも注意が必要です。
完成後は、必ず自分宛てにテスト送信を行い、実際に印刷された紙面で読みやすさを確認することをおすすめします。
反応を高める+αの工夫
NG行為を避けたうえで、レスポンスが得られるための工夫を加えることが、成功するかの分かれ道になります。
キャッチコピーの見せ方にこだわる
キャッチコピーは紙面の「顔」です。
目に留まりやすい位置に配置し、フォントや大きさ、強調の仕方を工夫しましょう。
また、コピーにはメリハリをつけることが大切です。
すべてを強調しようとするのではなく、「一番伝えたいこと」を強調し、そのつぎに伝えたい内容は控えめにするなど、情報に優先順位をつけて配置しましょう。
視線の流れに合わせて強弱をつけることで、読み手が自然と内容を理解しやすくなります。
親しみやすさをプラスする「似顔絵・アイコンの活用」
担当者の似顔絵や、親しみやすい雰囲気のイラストを紙面に入れることで、受信者との距離をグッと縮めることができます。
先述のとおり、FAXは原則白黒でしか送信できないため、写真との相性はあまりよくありません。
そのため、手書き風やシンプルなイラストやアイコンなどをおすすめします。
自作が難しければプロのサポートも活用を
「チラシ型デザインを試してみたいけど、ゼロから作るのは大変…」とお悩みの場合は、プロの手を借りるのもひとつの手です。
弊社では、制作に関するご相談も承っております。
効果を高めるFAX原稿をご検討の際は、ぜひお気軽にお問い合わせください。