成約1件を獲得するためにかかったコストが「顧客獲得単価」です。この数値が低ければ低いほど利益率は高くなり、効率の良い営業をしたことになります。 ここでは、顧客獲得単価の考え方を知り、それを改善していく方法について紹介していきましょう。
顧客獲得単価を改善すれば、売上向上に直結する
顧客獲得単価は「獲得単価」、あるいは「CAC」(Customer Acquisition Cost)とも呼ばれます。これは、「新規の顧客を獲得するため、1件あたりいくらのコストがかかったか」を表す言葉です。 獲得単価は、相手が法人でも個人でも共通して使われ、「顧客獲得のためにかけたすべての費用÷獲得できた顧客数」で算出することができます。例えば、100万円の費用をかけて4件の新規成約があれば、獲得単価は25万円です。この獲得単価を販売価格から差し引いたものが、1件あたりの粗利となるわけです。
似たような言葉にCPA(Cost Per Acquisition / Cost Per Action)というものがありますが、これはおもにネット広告での広告効果を測る際に用いられ、新規顧客を1人獲得するために、いくらの広告費がかかったかを測定する際に用いられます。
獲得単価を改善するためには
新たな顧客を得るためにかかるコストは広告費なども含まれ、広範囲に及びます。かかったコストを正確に算出して改善するためには、手間と時間がかかります。 そこで、まずは営業コストでカットできるところがないかを検討していきます。
営業コストを算出してみよう
まずは、営業活動にどのようなコストがかかっているかを見ていきましょう。 移動費としては、毎月の交通費や社用車を使っているならその月額のコストがあります。そして、顧客に渡すカタログや資料、電話営業にかかっている通信費など、営業職の行動には、多くのコストがかかっています。これに、DM(ダイレクトメール)の送付なども加えると、大きな額となるでしょう。
そして、営業コストで一番大きいのが人件費です。営業職の人件費は、一日の行動で営業活動に費やしている時間を割り出し、月給から算出した時給を掛け合わせれば算出できます。こうして割り出した数字の合計が営業コストになります。
カットできるコストや無駄なプロセスはないか
営業コストを算出したら、合計額だけでなく「何に、いくらかかっているか」を知ることも大切です。一番大きいのは人件費ですから、アシスタントや外部に委託できる作業があれば、積極的に活用すべきです。 また、使用しているツールや資料にコストがかかっているなら、別の方法に置き換えられないか、考えてみるといいでしょう。抑えられるところは抑え、カットできるものは切り詰める。その積み重ねが営業コストの圧縮につながります。
やみくもなコストカットは逆効果!
営業コストの見直しで忘れてはならないのが、「そのコストカットが必要かどうか」という冷静な判断です。いくらコストを抑えるためとはいえ、必要な部分までカットしては、営業そのものが立ちゆきません。 また、常にコストを意識するのは大切なことですが、細かいことまで制限してしまうと社員のモチベーションを下げる結果にもなりかねません。
また、PC関連のツール導入にも注意が必要です。FAXをPCで受信したり、業務連絡にチャットツールを導入したりすると、コストダウンと業務効率の向上が期待できそうに思えます。しかし、PCに詳しくない社員が上手に使うことができず、通常の手段よりも時間がかかってしますこともありうるのです。
顧客単価改善のためにはコストカットは有効な手段ですが、あくまでも業務が円滑に回っていくことが大前提です。極端なコストカットは逆効果にもなることもありますので、注意しながら進めましょう。
単価改善をサポートするツールを有効活用する
営業コストを下げる方法として、営業ツールの改善も挙げられます。特に、新規顧客へのファーストコンタクトに使うツールは、一考の余地があるでしょう。 新規顧客へのアプローチ法で一般的なのが電話営業です。一方的に切られてしまう可能性もありますが、相手の疑問や不安をその場で受け答えできますし、その場で訪問のアポイントを取ることもできます。ですが、時間と労力がかかりますし、営業トークがしっかりしている必要があります。アウトソースを活用するとしても、かなりのコストが必要になるでしょう。
そこで活用したいのがFAXDMです。FAXDMなら営業先がいくつあろうと一斉にアプローチすることができ、依頼した日に送信することができます。1件あたりのコストは安いですし、送信する書面には必要十分な情報を盛り込むことができます。 送信する書類の作成に時間はかかるかもしれませんが、日本テレネットであれば、ベースの情報から、原稿の作成とデザインを代行するサービスがあります。また、業種と地域を絞り込んだ送信リストも用意していますので、希望に応じてご利用いただくことが可能です。これらを使えば、営業コストが下がるため、獲得単価を改善できます。
獲得単価を意識した営業活動を
獲得単価を意識すれば、「いくら受注をいただけば、いくらの利益が出るか」がわかります。 その数字を知っているかどうかでは、営業活動のアプローチも変わります。まずは新規顧客について獲得単価を計算して、その後の営業に活かすことを考えてみましょう。