
FAX一斉送信サービスの選び方
メールや電話、SMS、SNSなど様々なコミュニケーションツールがあるなかで、FAXは50年近く前から日本のビジネスシーンで根強く利用されています。
本記事では複数の宛先に一斉にFAXを送る際に選ばれることが多い、「FAX一斉送信サービス 」について解説します。
FAX一斉送信サービスとは
FAX一斉送信サービスとは、サービス事業者が提供するFAXサーバーに送りたい原稿と宛先情報をインターネット経由でアップロードし、サービス事業者が保有・運用しているFAX回線を使って一斉にFAXを送ることができるクラウド型サービスのひとつです。

通常のFAXとFAX一斉送信サービスの違いとメリット
FAX機からFAXを送る場合と、FAXを一斉送信サービス、どちらもFAXを送信するという行為には違いないのですが、送信する仕組みは全く違います。
ここでは一般的なFAXの送信方法とFAX一斉送信サービスとの違いと、導入メリットを解説します。
FAXを送るために必要な機器が不要になる
通常「FAXを送る」ためには、FAX機や複合機、パソコンに接続するFAXモデムと、送信するための電話回線が必要です。もちろん電話回線の利用には通信会社との契約が必要です。
一方、「FAX一斉送信サービス」の利用に必要なのは「インターネットに接続されたパソコン」とサービスを提供している事業者との契約が必要です。そのため、FAX一斉送信サービスを利用すると、通常FAXの送信に必要な機器が不要になり、その維持費もなくなります。
FAXの送信にかかる時間が短縮できる
一般的なFAXは、電話回線を利用して原稿を送信するため送信できる速度は契約、接続している回線数に依存します。作業は短くても1枚あたり1分ほどかかりますので、1回線あたり1時間に50~60件送信するのが限界です。
FAX一斉送信サービスは、インターネットを経由して送信したいPDFファイルや画像と、宛先をアップロードし、送信の指示を出します。その指示を受けたサービス事業者は自社が保有する大量のFAX回線を経由して送信。事業者にもよりますが、数千件程度の処理であれば1時間もあれば送信できます。
また、操作はパソコンから行いますので、今までのように原稿を印刷し、FAX機にセット。宛先の電話番号を入力、送信といった作業もなくなります。
FAX送信に伴う費用削減ができる
一般的なFAXは、原稿を自社の電話回線を使って送りますので、送信料金は電話の「通話料」として請求されます。原稿を送る時間が長い、遠方に送ると通話料が高くなります。それに対してFAX一斉送信サービスはその概念はあまりなく「1枚あたり◯円」という料金体系がよくとられています。
そのほかには、サービスを利用するための月額基本料金や初期費用、オプションの利用料金等がかかります。ビジネス利用で使う場合は請求書払いが多いですが、先払い制をとる事業者も一部存在します。一般的なFAXとは違い、FAX一斉送信サービスはFAX機や電話回線、印刷用紙などの費用がかからずサービスの利用料金のみの負担で使えますので、FAX一斉送信サービスを利用するとFAXに関わる費用が大幅に抑えられます。
FAX一斉送信サービスでFAXの受信はできるの?
FAX一斉送信サービスは文字通り「FAXを一斉に送信するサービス」ですのでFAXの受信機能は提供していません。FAXの受信もクラウド化、高速化したい場合は「FAX受信サービス」を別に契約する必要があります。「インターネットFAX」として送受信どちらでもできるサービスを提供している事業者もありますが、FAXを一斉に送信できる数に制限を設けているものも多く、何百、何千と送信する業務がある場合は送信と受信を分けて契約、利用する方が効率的になる場合が多くあります。
FAX一斉送信サービスの利用シーン
ここまで一般的なFAXとFAX一斉送信サービスとの違いを解説してきましたが、具体的な活用シーン主な利用シーンは以下のとおりです。
店舗や事業所宛の業務連絡
回覧性の高いFAXは、店舗や事業所宛への業務連絡に多く活用されています。
とくに店舗宛のFAXは受信した通知をそのまま貼り付けられるので社内通知として活用できます。
既存顧客への販売促進
受けたチラシにそのまま書き込んで返信できるFAXは、在庫案内や特価品の案内など、既存顧客への販売促進としてFAXでのアプローチは有効です。
セミナーや講演会など、イベント事の出欠確認
会員組織を持つ企業様が自社のイベントを告知する際、FAXでの案内は有効です。
返信欄を入れておけば、受信者は返信欄にチェックを入れて返信するだけで出欠確認が完了します。
FAX一斉送信サービスの選び方
「FAX一斉送信サービス」と検索するとさまざまなサービス提供事業者が出てきます。どの事業者もFAXの送信は可能ですが、事業者ごとに特長がありそれぞれ得手不得手な部分もあります。
ここではFAX一斉送信サービスを選ぶ際に重視すべきポイントについて解説します。
サービスの操作・運用方法は自社に合っているか
FAXの送信方法は主に4種類です。自社の運用にあったサービスを選びましょう。
ブラウザからサービスにログインして送信
契約時に発行したID・パスワードなどを入力し、サービスにログインして送信する方法です。
メール経由で送信
メールに原稿と宛先を添付して、指定されたメールアドレス宛に送信してFAXの送信指示を出す方法です。
API経由でシステムから送信
使用している管理システムからFAX一斉送信サービスにWeb-APIに送信指示を出す方法です。
自社のFAXからFAX一斉送信サービスに送信
自社に設置している複合機から、FAXから一斉送信サービスに接続して送信する方法です。
利用に必要な機能は使えるか
FAX一斉送信サービスには、差し込み印字や予約送信など、一般的なFAXでは難しいさまざまな便利機能が利用できます。
ここでは、一般的なFAX一斉送信サービスで利用できる機能の一部をご紹介します。
差し込み印字機能
複数の宛先にFAXを送信するとなった場合に、基本的な内容は同じでも、会社名や部署、担当者の名前などは変えて送る必要があります。手作業でFAXを送る場合はそれぞれ情報が差し込まれたものを宛先分印刷して送信する必要があります。
多くのFAX一斉送信サービスでは「差し込み印字機能」が使えます。年賀状ソフトの宛名印字をイメージするとわかりやすいかもしれません。送信に必要な宛先ファイルの中に会社名や部署、担当者の名前などを設定し、印字場所を設定しておけば自動的に宛先ごとの情報が印字された状態で一斉に送信できます。
宛先の重複整理機能
宛先リストに同じFAX番号があった場合、2件目以降の宛先を削除して送信できる機能です。
同じFAXを何枚も送るとクレームの原因となりますから、FAX一斉送信サービスを利用する際この機能は必ず使える事業者を選びましょう。
送信NG宛先のチェック機能
FAXを送ったあとのクレームで一番多いのが「FAX不要と言ったのにまた送ってきた」です。
既存へ販売促進目的のFAXを送る際に一番気をつけなければならないのは「FAX不要」と連絡を受けた宛先へは絶対に送らないこと。送信先にも迷惑がかかりますし、クレームをなくすためにもNG登録が可能なサービスを選びましょう。
サポート体制の有無
FAX一斉送信サービスは気軽に利用できますが、送ることができるのは白黒の原稿だけです。
とくに、販売促進目的のFAXを送る場合、どんなデザインにしたらいいのかよく分からないという方も多いと思います。
このような悩みを相談できるサポート体制をとっている事業者を選ぶのは重要です。
サービスの料金体系を確認しよう
前述の通り、FAX一斉送信サービスは一般的なFAXとは料金体系が違うことが多いです。
一般的な利用料金は以下のようなものがあります。
初期設定料金
サービス事業者と契約する際に、ID、パスワードのなどの環境を設定する費用です。
事業者によっては無料の場合もあります。
月額基本料金
サービスを使うための維持費用です。
サービスの利用数に関係なく固定費で請求されます。
事業者によっては無料の場合もあります。
FAX送信料金
実際にFAXを送信した枚数にかかる料金です。
1枚から固定料金のサービスや利用数に応じて割引が入る(ボリュームディスカウント)形式など、ここは事業者によって大きく料金体系が違います。
オプション利用料金
ただFAXを送るだけなら前述の料金しかかかりませんが、便利な機能を有料で提供している事業者もあります。
ここも事業者ごとに大きく違いが出る部分ですので入念な確認が必要です。
請求方法は「請求書」が一般的
FAX一斉同報サービスの料金は一般的に請求書でやりとりされますが、クレジットカードでの決裁や前払いが可能な事業者もあります。
選んだ事業者が自社の支払いサイトに合っているかを確認しておきましょう。
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初期費用や月額基本料金は無料、送信し、到着した分だけのお支払いでご利用いただけます。差し込み印字や重複整理、NG登録などの便利機能もすべて無料でお使いいただけます。
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