
ダイレクトメール(DM)は長年にわたり、企業が顧客に直接情報を届ける手段として活用されてきました。
とくに郵送DMやFAXDMは、紙や物理的な通信手段として高い到達力と信頼性があり、今でも多くの企業に支持されています。
しかし、郵便料金の値上げや印刷コストの上昇、さらには業務のデジタル化、効率化の波を受け、いままでどおりの運用ではよい成果が出にくくなっているのも事実です。
このような課題に対し、注目されているのが“ペーパーレス化”という選択肢です。
本コラムでは、郵送・FAXDMの現状と課題を整理し、ペーパーレス化によって享受できるメリットを紹介します。
郵送DMやFAXDMが使われ続けている理由とは?
業務のデジタル化が進む現在でもいまだに多くの企業が郵送やFAXでダイレクトメールを送っているのは、単に慣れているからだけではありません。
郵送DM、FAXDMにはそれぞれ長所があり、特定のターゲットや用途においては有効なコミュニケーション手段として機能しています。
郵送DM
郵送DMは、受け手にとって「届いた」「読まれた」という実感が得られるコミュニケーション手段です。
高級感のある紙面や企業ロゴ入りの封筒は、企業の信頼性を伝えるのに効果的であり、特に高額な商材の提案や、丁寧な案内を求められる業種では今でも多く活用されています。
また、高齢層や商慣習的に業務のデジタル化がしにくく、紙を多く使っている業種には、Webよりも郵送の方が受け入れられやすい傾向にあります。
FAXDM
FAXDMも製造業や卸売業、医療業などではFAX文化が根強く、営業連絡や資料送付にFAXが今でも日常的に使用されています。
郵送に比べ印刷コストが抑えられ、即時性もある点が長所です。
また、紙で出力されるため社内での回覧性が高く、緊急性が高いBtoB間の連絡などには今でも多く活用されています。
本当に効果は出ている?
郵送やFAXによる案内はいまだ一定の成果を上げていますが、以下のような課題が多くの企業で顕在化しています。
とくに「費用に見合った効果が出ているのか?」と疑問を感じる企業が増えており、見直しを検討する企業も増えてきています。
郵送費・印刷費・封入作業などの固定コスト増加
郵送DMの実施には用紙や封筒、印刷代などの物理的なコストはもちろん、印刷、封入、投函などの作業コストも発生します。社内ですべて対応している場合に大量配信時にはその負担が大きくなりがちです。
さらに、2024年10月に郵便料金の値上げが実施され、今後も郵送DMのコストは上昇する可能性があります。
効果測定の難しさ
紙媒体は受け取った後のユーザーの反応をみることが難しく、施策の評価や改善につなげにくいという課題があります。
時間と手間がかかる
文面の印刷、宛名の印字、封入・封緘、発送手配など、配信までに複数の工程を要し、企画から実施までの時間がかかります。
「ダイレクトメールのペーパーレス化」という選択肢
そこで注目されているのが、紙に頼らない“ペーパーレスDM”です。
これは、従来のDMの「伝える」という目的を、より効果的に実現するための手段です。
たとえば、DMの内容をWebページ化し、そのURLをSMSやメール、LINEなどで通知するだけで確実に届けることができます。
WebベースのDMは、開封・クリック・離脱などの行動履歴も簡単に取得でき、マーケティング施策の改善に役立ちます。
ペーパーレス化のメリット
紙のDMを”ペーパーレス化”するメリットは、以下のようなものがあります。
コスト削減
紙代・印刷代・郵送費・封入作業にかかる人件費などが不要となることで、大幅なコスト削減が可能です。
とく定期的に大量配信を行う企業ほど、大きなコスト削減につながります。
即時通知
メールやSMSであれば、送信後すぐに相手の手元に届きます。
急な通知やキャンペーン、リマインドなどにも即応できるスピード感が魅力です。
開封状況の可視化
メッセージの開封やクリック、リンク先閲覧のログを取得できるため、「誰が、いつ、何回見たか」が明確になります。
これにより、精度の高いPDCAサイクルが可能になります。
コンテンツのパーソナライズ化
デジタルDMでは、顧客の属性や行動に応じてメッセージ内容を変えることも可能です。
たとえば、「男性顧客にはAプラン、女性顧客にはBプラン」といったセグメント別の案内や、過去の購入履歴に応じた提案が可能です。
比較で見るダイレクトメール手法の違い【郵送DM・FAXDM・メール・LINE・SMS】
以下の表は、代表的なDM手法についての比較です。
即時性・効果測定・コスト面においては、デジタル手段(メール・LINE・SMS)が圧倒的に優れています。

用途やターゲットで使い分ける視点が必要
重要なのは、「すべてをペーパーレス化すべき」ではなく、「使い分ける」という視点です。
- 高齢者層 :郵送やFAXなど、紙のDMの方が安心感があり、信頼されやすい
- BtoBの一部業界 :業界によってはFAXがまだ主流(医療・製造業など)
- 即時通知・開封確認が必要な通知:SMSやLINEが最適
このように、用途や対象に応じて適切なツールを選定し、「効果を最大化する設計」をすることが重要です。
今のDM戦略、“惰性”で続けていませんか?
郵送DMやFAXDMがこれまで一定の成果を上げてきたのは事実です。しかし、時代が変わり、顧客の情報接触スタイルが変わった今、そのままの手法を“惰性”で続けているだけでは、過去のような効果は期待できなくなっています。デジタルDMは、コスト削減・反響率向上・分析・改善といった面で大きなメリットがあります。まずは一部の通知やキャンペーンからテスト的に導入してみるのがおすすめです。
「紙だから安心」「FAXは慣れているから」ではなく、「本当に効果が出ているのか?」を改めて検証し、DM戦略を見直す機会として、本コラムが参考になれば幸いです。
弊社は、いままで封書や圧着はがきなどの「紙」で送っていた顧客への連絡・通知をデジタル化し、SMS本文のURLを通じて顧客へ送付できるサービスを展開しています。
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