
ビジネスシーンにおいて利用されることが多いDM(ダイレクトメール)ですが、DMとはどのようなものなのか、どういったメリット・デメリットがあるのかよくわからないといった方も多いのではないでしょうか。
本記事ではDMの種類やメリット・デメリット、効果を高める上でおさえておきたいポイントについて解説します。
DM(ダイレクトメール)とは
DM(ダイレクトメール)は封書などの印刷物や電子メールなどを送信し、レスポンスを待つマーケティング手法の一種です。
企業からの製品やサービスの宣伝を目的として使われることが多く、テレビCMや新聞広告などのような不特定多数を対象にするものではなく、ターゲットを定めたアプローチが可能です。
そのため、送り手側の工夫で比較的効果を高めやすいといわれています。
SNSのDM(ダイレクトメッセージ)との違い
DM(ダイレクトメール)の話を進めていく前に、混同しやすいのがX(旧Twitter)、Facebook、InstagramなどのSNSにあるDM(ダイレクトメッセージ)という機能です。
SNSで利用されるDM(ダイレクトメッセージ)はアカウント間でメッセージのやり取りをするものであり、DM(ダイレクトメール)とは、名称も目的も異なります。
DM(ダイレクトメール)の種類
ひとことでDM(ダイレクトメール)といってもDMにはさまざまな種類が存在します。代表的なものは郵送・電子メール・FAXの3種類。
それぞれ得手不得手がありますので、伝えたい内容や得たい効果、またかかる費用や時間などを考えたうえで、適した媒体を選ぶ必要があります。
郵送
DM(ダイレクトメール)を想像するときに最も一般的な方法であるのが、ターゲットの住所宛てに郵送で届ける「郵送DM」です。
郵送DMはハガキ(定型ハガキやA4ハガキ、圧着ハガキなど)や封書(レター)、小冊子や中カタログなど、さまざまな種類があり、伝えたい内容や掲載したい情報量などに応じて選択できるのが強みです。
電子メール
ビジネスシーンにおいて電子メールを使っての連絡は日常的に行わていることであり、電子メールを利用したDM(ダイレクトメール)も人気があります。
郵送DMに比べて、タイムリーな情報を届けられることが最大の強みです。
また、送信したメールのうちだれが開封し、誰が文中のURLをクリックしたかなど、ターゲットの行動についても可視化しやすいという強みもあります。
しかし、電子メールは日常的に使用するツールであるがゆえ、ひとりが受信するメールの件数が多く、見られないまま放置される、また、広告だとわかると開封されずに削除されることも多く、ほかの媒体に比べて開封率を高める工夫が必要になります。
FAX
FAXを利用してのDM(ダイレクトメール)は、企業や企業内個人を対象として利用されることが多い方法です。
電子メールほどではないものの、郵送DMと比べて実施するための費用が安く、送信する紙面の作成が容易、送信先も電話番号(FAX番号)のみの準備でOK、さらに、FAXは受信後相手の機器から紙で出力されることが多く、その特長からリアルタイムに情報提供を行いやすいというメリットがあります。
しかし、FAXによる販売促進は対象となる企業にFAX機のトナーや紙を負担させる手法であるため、無作為に大量に送信するのはおすすめできません。
郵送DM(ダイレクトメール)を送るメリット
ここからはDM(ダイレクトメール)の中でも最も一般的な方法といえる郵送DMのメリットについて解説します。
幅広い顧客層にアプローチできる
郵送DMの最大のメリットは、ほかの媒体に比べ幅広いターゲットにアプローチできることです。
電子メールはターゲットがメールアドレスを持っていること、FAXは送信先が電話番号(FAX番号)を公表していることが条件になります。
しかし、郵送DMはそのようなしばりはありません。送り先の住所や所在地さえわかれば送れます。
他のDMと比較して表現力が強くアピールしやすい
ひとことで「郵送DM」といってもその種類はさまざま。伝えたい内容を表現する力ついては他の媒体と比較して優秀です。
例えば、季節的な案内やキャンペーンの告知などであれば一般的なハガキでの案内で十分ですし、販売促進などで多くの商品を紹介したい場合は圧着ハガキやカタログ、場合によっては商品のサンプルを同封して手に取って頂くことなども可能です。
伝えたい内容によって送るものじたいを変えられるのが郵送DMの特長です。
レスポンス率(反応率)が比較的高い
宣伝活動を行う中で、昨今はデジタルツールを使った方法が主流になっていると言えますが、郵送DMにはアナログならではの強みがあります。
例えば、電子メールを使ってのDMは、昨今迷惑メールなどの被害が多数存在しているため、開封しにくくなっています。
またひとりが1日に受信するメールの量は年々増加している傾向にある中で、せっかく送ってもほかのメールに埋もれて見逃される可能性が高まっていることもマイナス要素です。
その点、郵送DMであれば、メッセージがターゲットのポストに直接届くため、電子メールと比べて開封される可能性は高いといえますし、種類によっては開封することなく内容を確認いただくことも可能です。
また、送られたものが手元に残ることから再読性も高く、レスポンス率(反応率)に直結しやすい媒体であるといえるでしょう。
郵送DM(ダイレクトメール)を送るデメリット
郵送DMのメリットについては前段で触れましたが、全て良いことばかりではなくデメリットも存在します。
時間と費用がかかる
郵送DMを実施するには多くの事前準備が必要となります。キャンペーンや宣伝内容の企画をしたり、ターゲットを明確化する、案内物のデザイン検討や制作をするなどさまざまな準備が必要なのが最大のデメリット。
また、ハガキや封筒の購入、印刷にかかる費用や郵送料金など、ほかの媒体に比べて費用がかかるのもデメリットになります。
こちらの記事もチェック!
~レターパックや速達郵便も対象~ 2024年10月から郵便料金の値上げが開始。コスト削減に効果的な対策をご紹介
効果測定に工夫がいる
電子メールを利用したDM(ダイレクトメール)はデジタル判定が可能となるため、開封率やクリック率などから効果を確認することは容易ですが、郵送DMは郵便物を使用した手法であるため、効果の測定が難しいこともデメリットです。
「ターゲットに案内物が届いているかどうか」「開封されているどうか」などを測定するのは難しく、測定のためには二次元バーコードや個別のクーポン番号の設定、Webサイトなどとの連携が必要です。
運用改善が簡単にはできない
DM(ダイレクトメール)に関わらず、宣伝活動にはトライ&エラーの繰り返しが効果を高めるうえで重要といえますが、郵送DMについては多くの事前準備と費用が必要ですので、電子メールやFAXなどと比べてPDCAのサイクルを早く回せないというデメリットがあります。
郵送DM(ダイレクトメール)の効果を高めるポイント
以上のようなメリット・デメリットを理解したうえで、郵送DMの効果を高めるために抑えておきたいポイントを紹介します。
ターゲットを明確にしパーソナライズを意識する
郵送DMにおいてもっとも重要なのがターゲットの明確化です。
ターゲットがどういったことに興味をもっていて、行動に至るのか、そのタイミングはいつ頃なのかなど、より個別な情報を認識し、個々に併せた宣伝活動を行う(パーソナライズDM)を検討することがポイントと言えます。
開封したくなるデザインを考える
前述のとおり、郵送DMは表現力の高さが最大の強みです。受け取った人が読みたくなるようなキャッチコピーはもちろんですが、文字の色や大きさ、配置、写真やイラストなども拘りましょう。
また印刷する紙の種類やギミック、Webへの誘導、ARの活用など、紙面のみで終わらない工夫が必要です。
効果測定を行いブラッシュアップを図る
郵送DMは1回だけで結果を求めるのではなく、実施するたび効果測定を行い、内容やターゲットリストのブラッシュアップが必要です。
基本的な指標としては以下のようなものがあります。
- RR(レスポンスレート) レスポンスがあった件数÷DMの発送数×100
- CVR(コンバージョンレート)=コンバージョンした件数÷DMの発送数×100
- CPR(反応1件あたりにかかった費用)=DM送付にかかった費用÷レスポンスがあった件数
SMS HaNa Dポス
SMS HaNa Dポスは、パーソナライズ化されたランディグページ(WEB)をSMS(ショートメッセージサービス)で送るサービスです。
費用がかかりがちな郵送DMをデジタル化し、DMの効果を高めることができるサービスです。
まとめ
DM(ダイレクトメール)で宣伝活動、販促活動を行う際のメリット・デメリットについて紹介してきました。
より効果が高い送DMを実施するために、ターゲットの明確化、訴求内容に合わせた紙面デザインの考慮、効果の測定を行っていきましょう。